今回、札幌アイヌ協会の関係者たちが実名で告発した理由を、前出の理事・結城氏が語る。
「アイヌ新法が成立したのに、こんな不透明さでは我々の組織そのものに不信感を持たれてしまう。それが何より悔しいです。阿部さんや多原さんだけでなく僕ら自身も反省しなければならない。札幌アイヌ協会を信頼される組織に立て直さなければ、アイヌの未来が潰れてしまう」
アイヌ新法成立という大きな一歩を無駄にしないためにも、透明性の回復と早期の決着が望まれる。
【PROFILE】ほんだ・しんいちろう/1959年、熊本県生まれ。TBSやフジテレビで事件レポーターとして活動後、神戸連続児童殺傷事件を機にジャーナリストへ転身。著書に『淳 それから』、『モノクロームクライシス』など。
※週刊ポスト2020年9月11日号