9月26日までの37日間にわたってグアム島で行なわれた日米合同軍事演習は、自衛隊と米軍による初の上陸作戦となった。公式には「島嶼奪還」訓練としかアナウンスされていなかったが、これは明らかに中国による尖閣諸島占拠を想定した訓練である。
この離島上陸作戦の様子の一部を見てみよう。海岸に向かって、7隻の黒いゴムボートが次々と近づいてくる。乗っているのは、米軍海兵隊だけではない。離島防衛専門部隊といわれる陸上自衛隊の西部方面普通科連隊を中心にした精鋭が米軍に混じって乗船している。彼らは89式小銃を携えて次々と上陸してくる。
今までの合同練習とは違い、今回は米軍が自衛隊を対等なパートナーとして訓練に参加させている。支援部隊の護衛という重要な任務を自衛隊に任せたところからも、そのことがうかがい知れる。訓練を終えた後は、写真のように笑顔で肩を組む海兵隊員と陸上自衛隊員の姿も見受けられた。
撮影■渡辺英雄
※週刊ポスト2012年10月12日号