女子就活生確保に大手企業同士が連携する動きが始まった。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏は、そこに就活の新しい動きをみる。
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いよいよ12月1日の、2015年度の就活解禁日が近づいてきました。まあ、インターンシップや、水面下での接触はもうとっくに始まっているのですけどね。注目のトピックスをご紹介しましょう。
12月6日に興味深い合同企業説明会が開催されます。その名も「汐留女子会」です。 電通や資生堂、ソフトバンク、富士通、リコー、三井化学、日本通運、トッパン・フォームズ、パナソニックという、東京・汐留に本社や主要拠点を置く上場企業9社が女子学生向けの企業説明会を合同で開催します。11月20日付の日本経済新聞が報じました。
私がこの企画に注目するのは、現在の採用活動で企業が重点的に取り組むべき課題と解決策がてんこ盛りになっていると感じたからです。
まず、「女子限定」という切り口です。これ自体は、実は珍しくありません。ここ数年、各社の個別の企業説明会や、合同企業説明会で行われてきました。
例えば、金融機関がカフェなどを貸し切りにして女子会セミナーなどを開催するなどの取り組みが話題となりました。就職情報会社も、女子限定合同企業説明会を実は毎年のように開催しています。ただ、これらは、一般職、特定総合職(勤務地や、昇進・昇格の上限が限定されている)の採用を成功させるために行うものという色も強いものでした。
今回の大手9社の動きは、女性を積極的に採用し、活躍してもらおうという色を感じます。いかにも女性の一般職を大量に採用したいという企業が参画していないことが特徴だと言えるでしょう。
これは、昨年くらいからの採用のトレンドとも重なっています。これまで明らかに男性を優先して採用していた企業が、女性の採用数を増やしていると感じます(公なデータには出てこないもので、あくまで私の取材の体感値ではありますが)。よく、採用担当者が語るのは、女性の方が就活に堅実に取り組むこともあり、選考では彼女たちの方が男性たちよりも優秀に見えるという声をよく聞きます。ただ、いまだに結婚出産による退職などを懸念し、ずっと働く男性に下駄を履かせて評価するという動きもありました。