2007年末に覚せい剤所持で逮捕され、2008年8月に韓国にやむなく帰国した歌手の桂銀淑(52才)が、日本のメディアの前に現れたのは、実に6年ぶりのこと。現在、彼女は歌手復帰を決め、新曲のレコーディングの日々を送っていた。
1979年に韓国で歌手デビューした彼女は、その後、作曲家・浜圭介氏の目にとまり、1985年に『大阪暮色』で日本デビューを飾った。その年に全日本有線放送大賞で新人賞を獲得し、紅白歌合戦には1988年から7年連続で出場。
しかし、1996年、当時の所属事務所から独立してから、人生の歯車が狂い始める。
「新しい事務所を作る際に、日本の銀行の勝手がよくわからず、銀行から借りずに知人から大金を借りてしまったんですね。しかも、そのお金も泥棒に盗まれたり…。
1998年に夫(1992年に結婚した韓国人実業家)と離婚したときも、いろいろあって彼の借金を私が被ることになり、どんどん借金が膨れ上がっていったんです。
当時は金銭トラブルが続いていましたが、決して報じられていたような、ギャンブルで借金を作ったわけではないんです。
私としては、歌手活動で返済していきたかったんですが、あの時はそうしたトラブルに加えて、更年期障害にも悩まされていて、満足に歌を歌うことさえできなくなっていました…」(桂、以下「」内同)
一時、借金は3億円にも膨れ上がり、2001年にはその独立した事務所からも2億5000万円の返済を求めた裁判まで起こされた。
こうして心身共に追い詰められた彼女は、2002年、うつ病になってしまう。
「もう人と話すのも嫌になって、せっかくのコンサートもキャンセルしたり…。当時は自分がうつ病だという自覚もなくて、ただ“死にたい”と思い詰める毎日でした。
でも、当時は母(90才)と私の2人だけの暮らしでしたから、私が自殺したら残された母はどうなるのか。そう考えると死ぬこともできなくて…。最後は医者を頼って、なんとか生きながらえたんです」