「教え子を自宅に連れ込み性行為」「ライター型カメラで盗撮」など、ハレンチな所業で処分を受ける教師の事件が後を絶たない。新学期が始まったばかりの1月11日、富山県の公立中学校教諭が児童買春の疑いで逮捕された。昨年8月、県内に住む小学生の女児と出会い系サイトで知り合い、3万円を渡してホテルでわいせつな行為をしたという容疑だ。
教師によるわいせつ行為はもはや日常茶飯事になって、大きく報道されることも少なくなってしまった。だが、親としては看過できない数字がある。
文部科学省がまとめた「教職員人事行政状況調査」によると、2012年度に懲戒処分(免職・停職・減給・戒告の4段階)を受けた教師は968人。うち「免職」は207人で過去最多である。さらに免職処分を受けた者のうち、処分理由が「わいせつ行為等」である教師が119人と、これも過去最多になった(停職・減給・戒告を含めた“ハレンチ教師”は全体では167人)。
約1年半前に本誌が調査した際の2010年度の数字は
・懲戒処分人数 905人
・うち免職 187人
・うちわいせつ 105人
だったから、どれもこれも事態は深刻化している。
前述の資料によれば、わいせつ行為(セクハラを含む)の標的とされたのは「自校の生徒・児童」で49.4%と約半数を占める。他は「自校の卒業生」「18歳未満の者」「自校の教職員」で約30%、残りが「その他一般人」だ。わいせつ行為が行なわれた場面では、授業中・放課後・休み時間・部活動・学校行事などで4割近くを占める。ただし同資料では、教師の問題行為の詳細は明らかにされていない。そこで本誌は、教師たちの不祥事の具体的な内容を調査した。
3大都市圏の6都府県(東京・埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪)と、そこに属する政令指定都市8市、およびわいせつ行為等で懲戒処分を受けた教員の実数が全国ベスト10に入る自治体(前記との重複を除く6道県)の計20自治体を対象に、2012年度の懲戒処分の詳細を取材・調査(例えば北海道はわいせつ行為等での懲戒処分件数が16件と、教員数が多い東京都の15件を上回って全国1位)。
その結果、多くの自治体から「教職員の懲戒処分等について」などと題する文書を入手した。なお、わいせつ処分人数全国4位(8人)の兵庫県だけは取材に対し情報提供を拒否したことを付記しておきたい。とても公にできない“特定秘密”なのだろうか、そんな態度だから不祥事が減らないのだ。