フェイスブックやツイッター等のSNS利用者数増加が鈍化していると話題になっている。ところが、大前研一氏は、SNSを利用したビジネスはようやく始まったところだと主張する。
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急成長してきたソーシャルメディアのフェイスブックやツイッターの利用者数の伸び悩みが指摘されている。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のフェイスブックは、2004年に誕生して以来、現在の利用者数は約12億人で株価はなお上昇基調だが、若年層を中心として利用者数の伸びは鈍化している。
また、2006年にサービスを開始したマイクロブログのツイッターは、同2億4100万人に達しているが、2013年10~12月期決算で売上高が前年同期比2.2倍になったにもかかわらず、利用者数の伸び悩みや閲覧数の減少が懸念材料となり、株価が急落したのである。
マスコミの中には、こうしたソーシャルメディアの伸び悩みや急失速を「成熟化」「ピークを超えた」などと懸念する報道もあるようだ。だが私は、ソーシャルメディアを活用したビジネスは、ようやく「とば口」に立ったばかりであり、これからまだまだ成長すると考えている。
ほとんどのソーシャルメディアは、グーグルやLINE、楽天が買収したViber、フェイスブックが買収したWhat’sAppなどと同じく、基本的に利用料がタダだから、収益を上げる方法は広告や動員などで稼ぐビジネスモデルを構築するしかない。ツイッターやフェイスブックなどが今後もそのビジネスモデルを拡大していけば、テレビ(民放)や新聞、ラジオなど従来のマスメディアからさらに大きな広告のパイを奪うと思う。
なぜなら、広告主から見て、ネット広告はテレビや新聞などの広告と違って「効果が見える」という利点があるからだ。