投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月28日~5月9日のドル・円相場の見通しを解説する。
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4月28日~5月9日週のドル・円は、29~30日の連邦公開市場委員会(FOMC)と30日の日本銀行金融政策決定会合に注目しつつ、日本のゴールデンウィークに向けて上げ渋る展開が予想される。
【連邦公開市場委員会(FOMC)】(29-30日)
FOMCでは、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が継続することが予想されている。米国連邦準備理事会(FRB)の資産購入額は、550億ドルから450億ドルへ減額されることで、ドルの下支え要因となる。
【日本銀行金融政策決定会合】(30日)
黒田東彦日銀総裁は、「日銀が掲げる2%の物価安定目標について、達成への道筋を着実にたどっている。道筋から外れる場合は躊躇なく調整する」と述べている。4月の月例経済報告で景気の基調判断が「下方修正」されたことで、「経済・物価情勢の展望レポート」への影響が警戒され、追加緩和に踏み切る可能性が高まっている。
【米国4月の雇用統計】(5月2日)
米国4月の雇用統計の予想は、失業率が6.6%で3月の6.7%から低下、非農業部門雇用者数が前月比+21.0万人の増加で、3月の+19.2万人から増加幅が拡大すると見込まれている。予想通りならば、6月のFOMCで100億ドルのテーパリングが予想され、ドル買い要因となる。
【ウクライナ情勢】
5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、ウクライナ東南部へのロシア軍による軍事介入の可能性、内戦勃発の可能性が高まりつつある。警戒すべき日柄として、ソ連の対独戦勝記念日である5月9日が挙げられている。
オバマ米政権が「OFAC規制」を発動し、ロシアの国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却や天然ガス供給停止などを警告しており予断を許せない状況が続く。
【本邦機関投資家の外貨建て資産投資】
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額を受けて、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されている。
4月28日~5月9日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。