国内

横田めぐみさんは金王朝の「奥の院」を知りすぎたとの憶測も

 北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの消息を知る手がかりとなる一枚のペーパーがある。

<拉致問題に関する分析>

 そう題されたレポートには、中国情報機関が集積した拉致問題に関する機密情報が記されている。同レポートは、中国工作員の情報をもとに第三国の政府関係者が作成したものだ。

 同レポートによれば、1994年、めぐみさんに悲劇が襲いかかる。

<政治的な理由で会寧22号管理所へ>

 同管理所は、政治犯を収監する北朝鮮最大の収容所とされる。同国北部、中国との国境地域にあり、一時は数万人の収容者を数えたという。さらにこう続く。

<めぐみさんは「独裁区域」に収監>

 韓国の情報機関「国家情報院」の関係者によれば、「管理所は革命化区域と独裁区域(完全統制区域)の2区画に分かれている場所がある。前者は釈放される機会のある政治犯が収監される。二度と外に出られない政治犯罪者が収監されるのが後者」という。

 では、「党幹部と信頼関係を持つ夫」がいながら、めぐみさんが「政治犯罪者」とされた理由は何なのか。このレポートには<政治的な理由>としか書かれていない。

 1994年、朝鮮半島はかつてない緊張に包まれていた。核開発を目論む金日成政権に対し、当時のビル・クリントン大統領は、真剣に開戦を検討していたとされる。同年10月、米朝両国は軽水炉建設を支援し、完成まで代替エネルギーとして年間50万トンの重油を供給するという「米朝枠組み合意」に調印した。

 朝鮮戦争以来の戦難こそ去ったが、揺れる国内外の情勢にあって拉致被害者という不安定な立場のめぐみさんの身に何があっても不思議ではない。日常のふとした言動が「政治的発言」として、当局に伝わった可能性も考えられる。

 レポートは北朝鮮の公式見解「1994年自殺」に関して否定する。が、その後のめぐみさんの消息に関してこんな文面が綴られている。

<収監後、まもなくして管理所内の炭鉱で野ねずみによる流行性出血熱感染者が大量発生。死亡者を集団火葬、管理所を3か月近く封鎖した>

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン