アベノミクスの影響からか「ボーナス増額ラッシュ」「雇用情勢は持ち直し」など、ニュースには一部景気のいいキーワードが踊っている。こうした状況を背景に、「景気の改善と共に、消費者のお財布のヒモも少しずつ、ゆるくなってきているようです。その反面、物価も上昇していますから、少しでもおトクに買い物をしたいなら、クレジットカードなどの電子決済を賢く使うことをオススメします」と語るのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。
現金決済ではなくクレジットカードを活用するメリットは、使用した金額に応じて貯まる“ポイント”。カードを作る際、“ポイント還元率”ばかりを気にしがちという人も多いが、それだけを見ていると「意外な落とし穴がある」と丸山さんはいう。
「ポイントの“貯めやすさ”も大切ですが、今、消費者に支持されているのは、ポイントが“使いやすい”カードです。ポイントを還元する手続きが面倒だったり、使える場所が少なかったりすると、せっかく貯めたポイントがムダになってしまいます。また、ポイントの有効期限が短いカードにも要注意です」(丸山さん)
例えば、貯めたポイントを「楽天市場」などで使える『楽天カード』、コンビニをはじめ多くのお店で使える『Tポイント』のように、ポイントをこまめに利用できるものを思い浮かべる人も多いかもしれない。こうしたポイントを貯めやすい・使いやすいカードを選ぶ基準として、丸山さんは2つのタイプを教えてくれた。
「1つめは、“生活密着型”のクレジットカード。例えば、『イオンカード』や『セブンカード』といった流通系カードは、食品や日用品などの生活必需品の購入額がポイントになるので、いつの間にかポイントがたくさん貯まっているものです。
さらに“交通系”も、生活密着型のカードのひとつ。主な移動手段が車の人はGS(ガソリンスタンド)系、電車の人は鉄道系のカードを1枚作るとおトク。特に電車で通勤・通学をする人は、定期代を鉄道系クレジットカードで支払うのがマストです。片道の交通費が200円前後でも、定期代は3か月で約1万8000円、6か月で3万円以上と、支出額としてはかなり高額。これだけの金額が継続的に出て行くことを考えると、定期代をポイントに還元しないのはもったいない!」(丸山さん)
2つめのタイプは、“コラボ系”のカード。前出の生活密着型カードから例を挙げると、『ビューカード』と『Suica定期券』の機能がひとつになった『ビュー・スイカカード』の場合、通常の買い物で1000円につき2ポイント、定期券や切符代は通常の3倍、つまり1000円で6ポイント(15円相当)のビューサンクスポイントが貯まる。また、Suicaに入金(チャージ)でも1000円につき6ポイントがつくという。