クルマはファッションと同じで個性が表れるもの。もちろん車種やデザインの好みも重要だが、近年薄らいでいた「色」で差別化を図るユーザーも増えてきた。
そのため、自動車メーカーは、売れ筋のホワイト・ブラック・グレーといった無彩色だけでなく、あらゆるボディカラーを揃えてユーザーの多様なニーズやライフスタイルに応えるようになった。
昨年、トヨタ自動車が高級セダンの「クラウン」で目にも眩しいピンク色の特別限定仕様車を発売し、話題をさらったのは記憶に新しい。黒塗りのハイヤーなどにも使われる“お堅い”車種が、<権力より愛><ストロングよりチャーミング>のコンセプトで、がらりとイメージチェンジした瞬間だった。
トヨタのカラー戦略はクラウンだけにとどまらない。
今度は「マークX」の特別仕様車に黄色のイエローレーベルを投入した。鮮やかなイエローは外装のほか、ドアトリムやシート表皮、ステンレス製のドアスカッフプレートなど随所に採用され、まさに個性を際立たせるデザインとなっている。
同車の発売に合わせ、9月1日には東京タワー隣のスターライズタワーにて、「MARK X Yellow Label(マークX イエローレーベル)プロジェクト」のキックオフセレモニーが盛大に行われた。
このプロジェクトは、トヨタがバブル景気前後のトレンドを数々生み出したクリエーター集団、ホイチョイ・プロダクションなどとタッグを組み、「クルマの楽しみを通して大人のオトコを刺激する!」企画を発信していくというもの。当日は東京タワーまで黄色に染めるド派手なサプライズ演出で会場は驚きに包まれた。
また、トークセッションでは俳優の細川茂樹氏やサッカー元日本代表の武田修宏氏が理想のドライブデートや黄色いマークXでエスコートしたい女性像などを告白。スペシャルムービーに出演する葛岡碧さんら人気ファッションモデル5人の女性たちと盛り上がった。
同プロジェクトでは、全国各地のデートスポットを掲載した専用冊子「ESCORT Yellow Date book」を全国のトヨペット店などで配布している。
いま、クルマに限らずピンクや黄、赤といった明るい色の商品に関心が高まっているのは、時代背景に依るところが大きい。