iPhone6とiPhone6Plusに関する情報が洪水のようにあふれ続けている。今も新しいiPhoneを求める人たちで携帯ショップや家電量販店がごった返しているが実は、少なくない人たちが機種変更にiPhone5sを選んでいる。5sは今もアップルストアや各携帯キャリアのショップなどで購入できるため、店頭で6と比べたり、買ってみた人の評判などを参考に5sへ機種変更する人が続出しているのだ。
「iPhone4sを使っています。iOS8の日本語版配布が始まったので、対応していない4sはそろそろ変えるタイミングかなと思ってアップルの新iPhone発表を楽しみにしていました。でも、正直言ってiPhone6にはがっかりさせられました。iPhoneにはほかのスマートフォンにない違う何かを求めているのに、そういった新味が少ないうえに大きすぎる。
4sの大きさは理想的でした。通話に使っても大きすぎないし、片手で操作しやすい持ちやすさも気に入っています。いまどき新製品が3.5インチのディスプレイではおさまらないことはわかっていますから、多少、大きくなることは覚悟していました。それでも使いやすい新iPhoneが出てくると思ったのに、6Plusなんて5.5インチもある。だから、機種変更するなら片手で使える限界の5sにしようと決めました」(HP制作会社勤務の40代男性)
新iPhoneの大きさは、そろそろ機種変更しようと考えていた人たちに大きな衝撃を与えている。今年の夏モデルのAndroid端末のどれよりも大きいからだ。Xperia Z2のディスプレイは5インチで高さは13.5センチ、GALAXY S5は5.1インチに14.2センチ、フレーム(縁)がないディスプレイで評判を呼んでいるAQUOS CRYSTALは5インチで13.1センチとなっている。
一方のiPhone6はディスプレイが4.7インチで高さは13.8センチなのでAndroid並みの大きさだが、6Plusは5.5インチに15.8センチもの巨大さだ。
それでも、iPhoneはスペックに比べて手に持ったとき大きさを感じづらい高いデザイン性があると言われてきた。そのため、数字ではわからない使いやすさがきっとあるはずだと期待していたユーザーも多い。しかし、そういったユーザーたちも店頭に展示されているiPhon6を手に取ってみて、その大きさに驚かされている。飛びついてさっそく買ったものの、6Plusに至ってはiPad miniと変わらないと嘆く声も聞こえる。
あるショップでは、あえてiPhone5sの機種変更価格をtwitterなどでアナウンスし続けたところ予想以上の反応が返ってきた。店頭で実際に6と見比べ、5sへの機種変更を決意するユーザーも思いのほか多い。iOSを8にすればクラウドや文字入力など強化された機能を利用できるため5sで十分だというのだ。これまで新iPhone発売時に旧製品を選ぶ人は例外的な印象だったが、iPhone6発売で前モデルを選ぶ現象が初めて目立っている。
「iPhone6を触ってみたい人は多いんですね。大きめの家電量販店なら携帯各社ごとに展示があるから、どこかで触れるだろうと思って行ったのですが、どこも混雑していました。大きいことは覚悟して行ったんですけど、予想以上に大きくてびっくりしました。6Plusのほうが予約が多いと言われていますが、現物を見て、これはないなぁと思いました。友人が使っているXperiaの大きさでも片手で安定して持てないのに6Plusじゃあ無理です。
もうすぐ買って2年になるiPhone5を機種変更しようと思っていたけど、考えちゃいますね。電話番号をガラケーに機種変して5sのフリーSIM版を買おうかなぁ」(広告代理店勤務の30代女性)