10月20日、大阪市の橋下徹市長と「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長が、大阪市役所で面談した。以前から「ヘイトスピーチを大阪市内でやめてもらえるなら直接僕が対応してもいい」と発言していた市長と、桜井会長の面談は当初30分の予定だったが、橋下市長が「帰れ」と桜井会長に言ったことで、8分程度で終了した。
「君たちね、ごろつきメディアを呼んだつもりはないんだよ!」
開始前、白いニットベストに白シャツ姿の桜井会長は、記者に向かって怒声を発した。先に入室していた桜井会長は、会議室以外での場所で取材カメラを向けられていたことに対し、「恥を知れ恥を!」と激高。水を打ったように静まり返る記者陣を前に、約6分に渡って共同通信や、慰安婦問題に絡めて朝日新聞などを名指しで批判した。その間、記者席の後方にいた在特会関係者が、「記事書いている風の、ボンクラばかりや」とつぶやいていた。
16時を5分ほどまわったタイミングで橋下市長が入室し、長机4つ分以上のスペースをあけた状態で向かい合った。橋下市長が「先に言ってもらったらいいんじゃない?」と口火を切ると、桜井会長は「いろいろ言いたいことはあるけど、ヘイトスピーチについてお伺いできます?」と質問。「僕の意見を聞くんじゃなくて」と橋下市長が返すと、「あんたが言い出したことだろ」と反論した。すると橋下市長は「民族や国籍をひとくくりにしてな、評価をするような発言はやめろ」と、鼻白んだ表情を浮かべた。
桜井会長は、橋下市長に「お前」と呼ばれたことで再度激高。席を立ちあがり詰め寄ろうとするものの、会場に待機していた私服警官に制止されたことにも腹を立て、「それでも男かよ!」と声を荒らげた。
その後橋下市長は「特別永住制度に文句があるなら、それを作った国会議員に言え」「参政権を持ってない在日韓国人の人に言ってもしょうがないだろ」「弱いものいじめばっかりするんじゃなくて、強いものに言え」「今度の統一地方選挙で訴えたらいいじゃないか」などと発言。
それに対し桜井会長はすでに議員に伝えていること、市長になんの権限があってヘイトスピーチ云々と言うのかということ、政治家はこの世でもっとも醜悪な人種だと思っていることなどを伝えた。
「勘違いするなよ」(橋下)
「何がだよ!」(桜井)
「帰れ帰れ」(橋下)
「みっともねえったらありゃしないな。いい逃げか? 飛田新地に帰れ!」(桜井)
と、最後まで双方言葉を荒らげたまま、会話も平行線のまま終わる結果となった。大阪市の風俗街である「飛田新地」がここで出てきた理由は、過去に橋下市長が飛田料理組合の顧問弁護士を務めていたことに由来する。