ミロ・モアレ(31)は、世界中で注目を集めている全裸美女アーティストだ。1983年にスイスで生まれた彼女は、同国のベルン大学で「認知と知覚」をテーマに心理学を研究し、修士号を取得した。その後、ドイツに渡って昨年から本格的に芸術活動をスタートさせた。
現在の拠点はドイツ北西部のデュッセルドルフ。ドイツ有数の産業都市で、欧州最大規模の日本人コミュニティーが形成されていることでも有名だ。ミロの住まい兼アトリエは、空港から10kmほど離れた市街地にある。ベルを鳴らすと、長身の黒髪美女が現われた。ミロは、カラフルなノースリーブに黒革のパンツ姿。さすがに、普段から全裸生活というわけではないようだ。
「母がスペイン人、父はスロバキア人。黒い髪は母から、背の高さは父譲りなんです」
ミロは気さくにこう語って、住居を案内してくれた。アトリエには2mを超える巨大なキャンバスがいくつも並んでいる。
「絵筆をとるときは全裸になることが多いですね」
驚いたのは、バスとトイレの窓がとてつもなく大きいこと。そこにはカーテンがかかっていない。その点を尋ねると、ミロは頬を赤らめた。
「カーテンがかけられない造りなので、私が入浴しているところが外から丸見えなんです……正直いうと、プライベートで全裸になっているのを覗かれたら、ちょっと恥ずかしい」
ミロの存在が世界中に知られたのは、そのパフォーマンス手法だ。彼女が全裸で電車に乗りこむ「スクリプト・システム(The Script System)」や、大衆の面前で女性器から卵を“産み落とす”「プロップ・エッグ(The PlopEgg)」など、その芸術活動は実に過激でエロティックだ。ミロの全裸パフォーマンスの様子は、動画再生サイト「YouTube」で全世界に公開され、累計500万回以上も再生されている。
「私のアートは、人々の感情や刺激と共につくられます。だから私はアトリエにこもるだけでなく、街に出て人々の前でパフォーマンスするのです」
しかし、それが全裸である必然性はあるのだろうか。