投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、11月17日~11月21日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、17日に発表される日本の7-9月期国内総生産(GDP)速報値を受けて、消費増税先送り、衆院解散総選挙が決定される可能性が高まっていることで、ドルは強含みに推移する展開が予想される。
リスク要因は、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、エボラ出血熱の感染拡大懸念、地政学的リスク(ウクライナ情勢、中東情勢)の緊迫化などが想定される。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額(23%⇒40%)からドルの下値は依然として限定的であると予想される。
【日本7-9月期国内総生産(GDP)速報値】(17日)
日本の7-9月期のGDP速報値は、前期比年率+2.2%と(最低:+0.8%、最高:+3.0%)と予想されている。安倍晋三首相は、速報値の数字が低迷していた場合、消費増税延期を大義名分とする衆院解散総選挙を決断する可能性が高まっている。
消費増税が2015年10月から先送りされる可能性を受けて、安倍トレード(日本株買い・円売り)第2幕への期待感から、日本株買い、円売り圧力が強まる可能性が高まることになる。
【日本銀行金融政策決定会合】(18-19日)
黒田東彦日銀総裁は、「2回の消費増税を前提に政策決定している」と述べており、10月31日の追加緩和(黒田バズーカ砲第2弾)は、2015年10月の消費増税10%が前提であることを表明した。安倍首相が2015年10月に予定されている消費増税の延期を決定した場合は、黒田バズーカ砲第3弾の可能性は低下することになる。
【連邦公開市場委員会(FOMC)議事録】(19日)
10月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、量的緩和第3弾(QE3)の終了が決定され、雇用情勢及びインフレ情勢に対する悲観的な見方が後退していた。FOMC議事録要旨では、利上げまでの「相当の期間」というフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)の変更、削除の可能性を見極めることになる。
11月17日-21日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。