イブの24日も本番の25日も平日という今年のクリスマス。遠出はせず、東京で過ごすなら東京タワーの夜景を楽しむディナークルーズがおすすめだ。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏による連載『“おとな旅”コンシェルジュ』から、クルーズ前の待ち合わせののち、東京・日の出桟橋から船に乗り、再び桟橋に戻ってくるまでの見どころを紹介しよう。
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日が沈み東京タワーがライトアップされたら、メインイベントの会場へと向かおう。目指すはタクシーで10分ほどの日の出桟橋。桟橋には白い優美な船体の船が停泊している。船の名は『シンフォニーモデルナ』。
バブル時代を謳歌(おうか)した方なら、この船名にピンとくるに違いない。バブルの熱狂が渦巻いていた平成元年(1989)に就航したレストランシップ『シンフォニー』は、企業のパーティーや芸能人の結婚式などに貸し切られ、多くの人にとって憧れの船であった。『シンフォニーモデルナ』はバブル崩壊後に就航した船だが、今、この船でのディナークルーズが改めて注目されている。理由はクルーズのコースにある。
日の出桟橋を出た船は、東京タワーを右手に見ながら進む。レインボーブリッジの真下を通過するころ、ディナーがスタート。クリスマス期間中は、ふだんよりグレードアップした正統派フレンチ。グラスシャンパンが1杯付いて1人2万2000円。乗船代込み)だ。
まずは、ジャズの生演奏を聴きながらシャンパンで乾杯。前菜を食べ終えるころに、最初のビューポイントとなる東京ゲートブリッジが見えてくる。彼方には東京スカイツリーの姿も。外は寒いが、コートを羽織って外のデッキに出てみよう。ちょうど羽田空港に着陸する飛行機が東京ゲートブリッジの真上を通過している。ツレの女性はその神秘的な姿にうっとり。イイカンジになったら橋をバックに今夜の思い出の1枚をパチリ。
老婆心ながら夜間撮影の際の注意を申し上げておくと、女性をメインにする場合にはフラッシュを使い、背景をメインにする場合にはフラッシュなしで撮影すること。クルマの運転同様、カメラの撮影が下手な男もバカにされますぞ。