11月にモバイルセキュリティ企業のLookoutが発表した報告書「日本のスマートフォン紛失にまつわる事情」(18歳以上のスマートフォン所有者1000名対象)によると、日本人の5人に1人がスマホを紛失した経験があり、そのうちの44%が「データを取り戻すために払ってもいいと思う金額」を5万円と回答。40%弱が「10万円払っても取り戻したい」と回答する人も。また、同報告書では、紛失したスマホを取り戻すことができなかった人が11%、18~24歳の若年層ほど紛失頻度が高いといった、「落としスマホ」に関するさまざまな統計や傾向について紹介している。
他のデータをチェックしてみると、警視庁新宿警察署の調べでは、平成24年の遺失届受理件数のうち、携帯電話類は3位で1万1044件。1位の証明書類3万5598件と比較すると3分の1以下だが、2位の財布類1万1981件と並んで、かなりの割合を占める。新宿警察署管内だけで、これだけ多くの落としスマホの届け出が受理されているとすれば、都心部だけでも相当な件数に上ることは想像に難くない。そう考えると落としスマホは、誰にでも起き得るトラブルのひとつといえるだろう。
スマホに限らず、携帯電話には友人・知人のほか、取引先の個人情報が入っていたり、昨今はスマホでネットバンキングやネットショッピング・金融取引などを行なっている人も多く、取り戻せなかった際の手続きに多大な手間がかかる上に、悪用された場合のダメージは計り知れない。仕事に関する情報を扱うPCのセキュリティと同様に、落としスマホが大きな責任問題になる可能性もある。
もちろん、紛失しないのが1番良いが、万が一に備えたリスクヘッジを充分しておくことも、重要だろう。そこで落としスマホ対策のエキスパートでKDDIのパーソナルサービス企画部・梶利津子さんに、紛失・盗難に伴うトラブルを最小限にとどめる方法について教えてもらった。