ビジネス

「大人のお菓子」市場が好調 割高でも良質な製品に需要あり

「大人のお菓子」が人気。甘さ控えめ、素材厳選でオトナ心を掴む

 厳しい寒さが続く日本列島。暖かい室内や炬燵の中でほっとしたい季節だが、そんなときつい手が伸びるのがお菓子ではないか。最近、スーパーやコンビニエンスストアでは大人向け菓子の扱いが増えている。誰もが知る定番菓子の大人版には、懐かしさを呼び起こすとともに、「高級」「上質」という新しい味も加わった。少子化が進む中、大人の需要が菓子業界の牽引役となっているようだ。

「大人のきのこの山」(明治)、「大人のKitKat」(ネスレ)「カントリーマアム 大人のチョコチップ」(不二家)――“大人”という冠の付いた菓子は2013年秋ごろから続々登場している。黒やこげ茶など、落ち着いた色合いのパッケージと、「深いカカオの香り」など素材へのこだわりが特徴だ。大人向けとあって、甘さ控えめをアピールする商品も多い。一箱の個数などが違うため単純な比較はできないが、“大人でない”商品に比べて、価格は上がる傾向にある。

 コンビニでも大人の取り込みは活発化している。

 ファミリーマートは2012年から中高年層をターゲットとした「おとなのおやつ」を展開。ローソンは2014年秋から、原材料や製法にこだわった「大人向けプレミアム菓子シリーズ」の発売を数量限定で開始した。昨今、行列ができるなど人気が高まっているポップコーンに、ガーナチョコレートを贅沢にかけた「ロッテ ガーナポップコーン」は定価980円。高価格ではあるが、土産や職場のお茶請けに買い求めるサラリーマンやOLも多いという。

 全日本菓子協会の発表によると、2013年の菓子販売額は3兆1757億円で前年比0.2%増。「少子高齢化に伴う人口減少、消費者の支出抑制傾向などの厳しい環境のなか、堅調に推移」しており「低価格志向の消費者は製品選択の際、相対的に安価なPB(プライベートブランド)を求める傾向にある一方で、多少割高でも良質な製品や美味しい製品に対する需要」があると分析される(矢野経済研究所)。

 大人向け菓子の専門店も人気を博している。

 大阪・阪急うめだ本店地下1階にあるカルビー直営店舗「GRAND Calbee(グランカルビー)」では、カルビー史上“最厚”となる新感覚のポテトクリスプを販売。休日などは整理券が配布されるほどの混雑を見せている。キットカットの専門店「キットカット ショコラトリー」は東京・名古屋にすでに3店舗を持つ。専門店の開設は新たな顧客層の開拓につながっているという。

関連記事

トピックス

ボランティア女性の服装について話した田淵氏(左、右は女性のXより引用)
《“半ケツビラ配り”で話題》「いればいるほど得だからね~」選挙運動員に時給1500円約束 公職選挙法で逮捕された医師らが若い女性スタッフに行なっていた“呆れた指導”
NEWSポストセブン
傷害致死容疑などで逮捕された川村葉音容疑者(20)、八木原亜麻容疑者(20)、(インスタグラムより)
【北海道大学生殺害】交際相手の女子大生を知る人物は「周りの人がいなかったらここまでなってない…」“みんなから尊敬されていた”被害者を悼む声
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
斎藤氏の演説を聞こうと人だかりが
【斎藤応援団1か月密着ルポ】絶対に勝てるはずのなかった男が“悲劇のヒーロー”として兵庫県知事選に舞い戻ってきたワケ
NEWSポストセブン
チャンネル登録者数が200万人の人気YouTuber【素潜り漁師】マサル
《チャンネル登録者数200万人》YouTuber素潜り漁師マサル、暴行事件受けて知人女性とトラブル「実名と写真を公開」「反社とのつながりを喧伝」
NEWSポストセブン
史上最強日本女子フィギュア。NHK杯では表彰台を独占した。優勝が坂本花織(中央)2位千葉百音(左)3位青木祐奈(右)/時事
日本人女子選手の独壇場なのに「フィギュアスケート競技からファン離れ」の理由
NEWSポストセブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン
2009年のジョセリン(Shutterstock/AFLO)
《“キャットウーマン”が整形疑惑を否定》米・元セレブ女性(84)の発言に海外メディアが騒然「目元は小さな修正」「ボトックスは好きじゃない」
NEWSポストセブン
被告人質問を受けた須藤被告
《タワマンに引越し、ハーレーダビッドソンを購入》須藤早貴被告が“7000万円の役員報酬”で送った浪費生活【紀州のドン・ファン公判】
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司若頭/時事通信フォト、共同通信社)
「おい小僧、お前、嫁と子供は大事にしているのか」山口組“七代目”候補・高山清司若頭の知られざる素顔
NEWSポストセブン