投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月13日~1月16日の動きを振り返りつつ、1月19日~1月23日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。外部要因に大きく振らされる相場展開となった。週末には一時前日比500円を超える大幅な下げとなり、昨年10月末以来の安値水準をつける局面をみせた。
連休明けの東京市場は、9日の米雇用統計の内容は評価されたが、引き続き原油先物や為替動向、地政学リスクなどを睨みながらの相場展開となった。ただ、昨年12月の直近安値水準では底堅さが意識されるなか、15日の日経平均は300円高と、自律反発をみせている。しかし、15日夕にスイス国立銀行(中央銀行)は、スイスフランの対ユーロでの上昇を抑えるために導入していた上限を撤廃すると発表。金融市場の混乱が嫌気される格好から週末の東京市場は全面安商状に。
週末の日経平均は安値から300円近く戻しており、セリングクライマックスも意識されやすいだろう。また、昨年10月31日の日銀による異次元緩和前の水準まで下げていることも、売り一巡につながる展開が意識されてきそうだ。
ただし、今回のスイスフランの上限撤廃による影響をしばらくは見極める必要がある。一部のヘッジファンドで損失が拡大していると見られる中、需給安定化を待つことになろう。また、週末25日にはギリシャ総選挙が予定されている。ドイツのメルケル首相は、ギリシャのユーロ圏離脱を望まない考えを明らかにしていると伝えられているものの、イベント通過待ちといったところか。