舛添要一・東京都知事が就任1年を迎える。この間、舛添氏がとくに注力してきたのが東京五輪の開催準備などを名目とした都市外交だ。『週刊ポスト』がその経費の詳細を情報公開請求によって入手したところ、5か国で計1.8億円も使っていたことがわかった。来年度予算では、出張費は約2億4000万円とさらに上積みされた。
五輪誘致という海外出張の大義名分があった前任者・猪瀬直樹氏が11か月間で海外出張6回、総経費1億4000万円だったことを踏まえるとその膨張には首を傾げたくなる。
費用が膨れあがる背景には同行職員の存在がある。2月のソチ出張では総勢8人だったのが回を重ねるたびに増え続け、10月のロンドン・ベルリン訪問では20人の“大名行列”となっている。
都は「ベルリン市との都市間協力を進める合意書締結に必要な職員などが同行した」(政策企画局外務部外務課)とするが、民間企業で社長の出張に20人の社員が付き添うなどまず考えられない。現地案内人や車両手配、通訳への支払額が膨れあがる理由の一つとして随行職員の多さがあるのは間違いない。
しかも、そうした職員まで高級ホテルで知事と同様に条例で定められた宿泊費上限の規定額を上回る部屋に宿泊しているのだ。
ロンドンのドーチェスターホテルでは政策企画局秘書事務調整担当部長と同担当課長が、規定額の約5倍となる11万4000円の部屋(スタンダードルーム)に泊まっている。