逆石油ショックからスイスフラン急騰まで、世界市場が乱高下の荒波に晒されている。その中で、世界の投機マネーが流れ込み、日本株にバブルが到来する可能性が囁かれている。元外務官僚で原田武夫国際戦略情報研究所代表の原田武夫氏が解説する。
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これまで原油の価格が急激な下落傾向にありました。これについて、イスラム国の台頭やロシア経済への制裁と関連づけて解説する傾向がありますが、実は、金にせよ、原油にせよ、現代のこうした取引相場は、実需や地政学リスクだけでは説明不可です。
米欧を中心とした機関投資家たちは、市場の歪みを見つけ、相場を乱高下させるなかで、利ざやを稼いでいる。その取引に原油や金が利用されてきたというだけの話です。金は昨年11月の段階で底を打つ一方、その次の標的が原油でした。
世界の投機マネーは、原油の次に向けて動き始めています。投機マネーは常に、「いま急激に儲けられるもの」を探して動きまわっているのです。
そのマネーは次にどこへ行くのか。私はそれを日本株であると考えています。今年3月頃から2017年くらいにかけて、〝日本株バブル〟が本格的に到来する可能性があるのです。
世界の投機マネーが、今からアメリカ株に向かうような状況は考えられない。中東情勢をはじめアメリカの外交政策は手詰まりを迎えているからです。