投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月16日~2月20日の動きを振り返りつつ、2月23日~2月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。当面の目標だった2007年2月高値を更新し、2000年5月以来の水準を回復した。ギリシャ債務問題やウクライナ情勢に対する懸念はくすぶるものの、メガバンクが連日で売買代金上位となるなど、金融株を中心とした主力大型株が相場をけん引する格好となった。また、日中は狭いレンジでのこう着ながらも、連日ギャップ・アップで始まり、その後もじり高基調が続くなど、先高期待の強い相場展開だった。
日銀の金融政策決定会合だが、金融政策の現状維持を発表。景気の基調判断を「緩やかに回復」に据え置いた。この結果を受けて若干円高に振れる局面もみられたが、想定内の動きとして神経質になることなく、反対にメガバンク主導で強い値動きが続いた。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では年央と予想されていた利上げの時期が遅れる可能性を示唆しており、こちらも円高に振れる要因となったが、メガバンクの勢いは衰えず、相場をけん引する格好。その他、テーマ物色ではインバウンド関連への資金流入が目立っていたが、1月の訪日外国人旅行者は前年同月比29.1%増の121万8400人(推計)で1月の過去最高となったことが物色に弾みをつけていた。
日経平均は目先ターゲットとして意識されていた2007年2月高値を更新したことで、いったんは達成感が意識されやすいところである。足元の上昇で短期的な過熱感も意識されやすく、利益確定の売りが出やすいところではあろう。とはいえ、週末の動きをみても、銀行などが上げ一服のなかでハイテク株などの上昇によって日経平均は高値を更新しているため、良い循環が続いているようである。需給状況が良好な中では、相対的に出遅れている銘柄等に資金が向かいやすいだろう。