春の兆しが見え始めて、温度や湿度のアップと共に、“スキンケアへの気が緩みがちになる”という人もいるのではないだろうか。しかし、乾燥の心配から解放されてくると、代わりに紫外線量や黄砂・花粉に加えて、最近では大気汚染のPM2.5など、肌トラブルの原因が増加するのもこの季節。
紫外線だけのデータを見ても、気象庁の「東京の月別紫外線量(2014年)」によると、3月はすでに「できるだけ日差しを避けた方がよい」レベルで、5月には真夏と大差ないレベルに到達するという。
そして、まだ寒暖差が激しく、乾燥しがちな肌は、カサつきや化粧ノリの悪さだけでなく、表皮の角質層のバリア機能が壊れている状態のため、皮膚内部に有害な物質が侵入したり、炎症したりといった、肌ダメージを蓄積させてしまうケースも。こうした肌トラブルの悩みに対し、「私のクリニック目白」院長で医学博士・皮膚科認定専門医の平田雅子先生は、美肌習慣を身につけるためのポイントをこう語る。
「スキンケアでは『保湿』と『紫外線対策』ももちろん必要です。お肌のことを考えれば湿度は50%は欲しいところですが、室内は日常的にエアコンがかかっている状態で、多くの場所が乾燥しているため、お肌から水分が蒸発しやすい環境にいることが多いのです。また、紫外線については、まさにこれから注意しないといけないシーズンになりますので、少しでも浴びないようにすることが重要です。
このような『外側からのスキンケア』も大切ですが、お肌の状態を良好に保つには、『内側からのケア』をベースとして、そこに『外側からのケア』を上乗せしていくことがポイントであることを忘れてはいけません。体全体を覆う皮膚は、いわば臓器を包む袋です。包まれた臓器に不調があれば、皮膚の表面にその影響が出てくるのは、むしろ当然のことです」
また、美肌のための「内側からのケア」として、平田先生は“食事と腸内環境”の重要性を指摘する。