日本の大学も厳しい選別の時代に入っている。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析する。
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2015年度の私立大一般入試も終わりを迎えつつあります。フタを開けてみれば……志願者を日本一集めたのは、近畿大学。昨年初めて日本一になった近大が、今年も連覇しました。
近大の志願者数は11万3704人。前年度より7814人の増加と、猛烈な勢いです。2位は明治大。10万5702人と、昨年より190人増。3位は早稲田大の10万3494人。昨年より1930人減という厳しい結果に。
この少子化時代、良くても微増、多くが減少しているのに、どうして近大だけ急増? 近大の下剋上が加速している? 8000人近くも志願者を増やす推進力の正体とは、いったい何なのか? 多くの人が疑問に思っているのではないでしょうか。
いくら「近大マグロ」が話題を集め、料理店「近大水産研究所」に行列ができたとしても。「マグロ効果」の一語で「2年連続志願者数日本一」という現象を説明しきれないのではないか?
V2が判明した直後、近大広報部にその理由について、どう分析しているのか聞いてみました。すると3つの答が返ってきました。
【1】近大マグロを代表とする研究成果が全国的なメディアで報道され、志願者が増加した
たしかに料理店「近大水産研究所」のみならず、近大マグロの生産拡大・量産化へ踏み出したニュース、マグロの骨の出汁でカップ麺を開発等、途切れなく近大の話題が 伝わってきました。
【2】文系学部の復活。文系(法・政治・経済・文芸・総合社会)の志願者が大幅に増加した
最近は全国的に「理高文低」が続き、近大も理系学部の功績が有名。しかし本年は理系傾向が弱まり、近大の文系学部に志願者が殺到したもようです。
【3】女子志願者と新たな志願者層の増加
女子志願者数は過去最高の3万1262人に増加している上、、これまで以上に「進学校」と呼ばれる高校からの志願者が増加し、またエリアも全国に拡大したという。東北方面から 前年の1.8倍、関東方面からは前年の1.5倍に。
近大の広報部は「関西ローカルから全国区の大学になりつつある」という手応えを得ているそうです。