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立つか座るかの大問題 男性に自粛求める警句の数々を分析

 男性でもトイレの清潔を保つために座って小用をたすべきなのか。「座りション」vs.「立ちション」の争いの向こうに、男性のブライドを刺激せずに従わせる大人力があった。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が解説する。

 * * *
 ここ数年、男性のオシッコ事情が大きな曲がり角を迎えています。前々から衛生面や掃除の手間を理由に「洋式便器だけのときは、男も座ってするべきだ!」という声が高まっていましたが、「座ってオシッコをするなんて男のコカン、いやコケンに関わる!」といった反発も根強く、立ちション派と座りション派の静かなせめぎあいが続いていました。

 そんな戦いに、ついに終止符が打たれるかもしれません。今年1月、屋外用チラシケースなどを販売する「テクテク」(愛知県豊橋市)が、立ちションの自粛を促す「男性トイレマナーステッカー」をネット発売したところ、たちまち大人気に。3月に入ったころから、いろんなメディアで取り上げられまくっています。

 ある調査によると、男性が立って用を足すと、1日で2000以上の尿滴が便器や床や壁に飛び散るとか。それがトイレ全体を臭くする原因にもなります。オシッコをするたびに自分で掃除をするならともかく、冷静に考えると洋式便器で立ちションにこだわり続けるのは難しいかもしれません。すでに男性の半分以上が「座りション派」になっているという調査結果もあります。

「テクテク」が作ったステッカーは、駐車禁止の標識風に立ちション姿の図案を赤い縁で囲んで赤い横棒が入っているものや、「男子も座って使ってね」というお願いのセリフが入っているものなど、全部で13種類。amazonの販売ページには「男子のプライドを傷付けず『言われなくても見ればわかる』お気楽な方法」とあります。

 たしかに「男子のプライド」というヤツはなかなか厄介で、頭では「座ってしたほうがいいかも」と思っていても、頭ごなしに「座ってしてよね」と命令されるとカチンときてしまうかもしれません。自宅や知り合いの家や居酒屋のトイレにステッカーが貼ってあったときに、どう書いてあったら素直に座ってオシッコする気になれるか。いろいろある中から「大人のお願い力」が高そうな文言ベスト3を独断で選んでみました。

 まずは3位から。「デキる男は座りション! ノーモアアンモニア臭! Thanks!」を謹んで選ばせていただきます。「デキる男」とおだてて、なぜ座る必要があるのかを説明してくれているので、「座るよ、俺は」とちょっと得意げな気持ちで座れるでしょう。

 2位は「男子も座って使ってね Please sit down to pee!」で。男の妄想というのは便利なもので、しょせんシールに書いてあるだけの文言ですが、頭の中でとってもかわいい女の子がやさしく語りかけてくれているような気になれます。

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