NPOなどが主催する、日本在住の外国人と日本人の異文化交流会、英語での料理教室などが軒並みキャンセル待ちの人気だ。日本を訪れる外国人が増えているだけでなく、2020年の東京オリンピックへ向けて、個人でも地域でも“外国人とコミュニケーションすること”への興味は高まっている。
こうしたコミュニケーションの場として注目なのが、外国人向けの国内ツアー。大手旅行会社ではJTB「サンライズツアー」の京都発着「京都アフタヌーン」ほか、東京を中心にさまざまなコースが用意されたはとバスの「はとバス外国語ツアー」のなど、日本人も参加可能な“外国語で楽しむパッケージツアー”が用意されている。外国人観光客と共にツアーを楽しむだけでなく、私たちにとって身近な日本の文化が、英語でどう説明されるのか? といった点でも興味深い。
定番の観光スポットに加え、ガイドが案内してくれる安心感がパッケージツアーのメリットだが、より積極的に交流したい人にオススメなのが、外国人向け「シェアトリップ」への参加だ。ソーシャル旅行サービス「trippiece(トリッピース)」が2014年4月にサービスを開始した、訪日・在日外国人へのインバウンド向け英語版サイトをチェックしてみると、日本の文化や伝統行事を体験するツアーのほか、下町や自然豊かなエリアを散策するコースなど、個性的なプランを含むさまざまなツアーが企画されている。
そうした個性的なツアーが催される背景としては、企画者がガイドとなって自由に旅程を決めるだけでなく、事前の段階やツアー工程の途中で、参加メンバーがプランを提案したり、相談したりしながらコースを組立てる要素も多く、参加者同士のコミュニケーションが増える仕組みになっている。実際に参加した人たちやツアーの雰囲気について、3月に着物で鎌倉を散策するツアーを企画した、trippiece社員の大泉みどりさんに当日の様子を聞いた。
まず今回の企画で事前に決まっていたのは、集合場所と時間、着物レンタル店での着物レンタル・着付けといった、最小限の予定のみ。参加者は大泉さんを含め、全員が20代の女性8名(日本人5名、フィリピン人2名、アメリカ人1名)と男性1名(フランス人)。一行は集合後、昼食をとりながら自己紹介をし、着物に着替えて鶴岡八幡宮や長谷寺周辺、小町通での食べ歩きなど散策を楽しんだという。