投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月13日~4月17日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、28日の日米首脳会談に向けたドル高・円安抑制への警戒感、G-20財務相・中央銀行総裁会議での為替協議への警戒感などから、ドルは上げ渋る展開が予想される。しかし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や民間機関投資家による外貨建て資産投資増額への期待は高いことから、ドルの下値は限定的か。
リスク要因としては、米国議会で環太平洋経済連携協定(TPP)に為替条項を盛り込む可能性が強まった場合、中東の地政学的リスクが緊迫化した場合、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念などが挙げられる。
【米地区連銀経済報告】(15日)
4月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)での米国の景況感の判断材料となる米地区連銀経済報告では、悪天候により低迷している雇用情勢や原油価格の下げ止まりを受けた物価情勢を見極めることになる。
【G-20財務相・中央銀行総裁会議】(16-17日)
米国財務省半期為替報告書は、欧州と日本は景気を刺激する上で金融政策に過剰依存していると批判し、中国人民元の上昇、韓国ウォンの上昇が要請された。中国当局は、中国人民元の特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットへの採用を求めており、中国人民元の安定推移を目論んでいることで、米中の為替協議に注目することになる。
欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は、インフレ目標2.0%に到達するまで金融緩和政策を続けると表明しており、利上げの時期を模索している米国連邦準備理事会(FRB)との金融政策協議に注目することになる。
【日米政権のドル高・円安抑制スタンス】
28日に予定されている日米首脳会談に向けて、ドル高・円安を抑制する動きが警戒されている。安倍政権は、12日と26日の統一地方選挙に向けた地方企業への配慮、TPPに為替条項を盛り込む動きが強まっている米国議会への配慮から、円安を抑制するスタンスを強めている。
米国議会では、ドル高への警戒感が高まっており、通貨安による損害賠償請求、TPPに為替条項を盛り込む動きが警戒されている。オバマ米大統領は、議会対策、米国製造業への配慮からドル高による米国輸出への影響に言及した。
4月13日-17日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。