朝日新聞社が東京創業の地、東京都中央区銀座6丁目に新ビル「銀座朝日ビル」(仮称)を建設すると発表した。地上12階、地下2階の建物には、ラグジュアリーホテル、商業施設が入り、2017年秋に完成する予定だという。
朝日の不動産ビジネスは、すでに大阪では成功を収めている。朝日は大阪のビジネスの中心地、中之島に大阪本社が入る高さ200メートルのツインタワーを建設中だ。東側の「中之島フェスティバルタワー」は2012年11月に完成。地上39階、地下3階の巨大ビルには大阪本社以外にも2700席を誇る音楽ホールが入り、16階から36階までのオフィスフロアもテナントでほぼ埋まっている。
西側には「中之島フェスティバルタワー・ウエスト(仮称)」が2017年に完成予定だ。こちらは地上41階、地下4階建てで、26フロアのテナントオフィスを用意する。上層階には銀座と同じく最高級ホテルが入る。朝日新聞関係者がいう。
「入るのはリーガロイヤルホテルを運営するロイヤルホテルです。1部屋の面積は50平方メートル以上と広く設定し、料金は1泊4万~6万円。会社もプレスリリースで“大阪最高のラグジュアリーホテルを目指します”と発表するなど、高級路線を謳っています。ツインタワー完成後のテナント料収入は、2棟合わせて年間100億円を想定している」
莫大な不動産収益の背景には、国のバックアップがある。
中之島地区は小泉内閣時代に創設された「都市再生特別地区」に指定され、様々な規制が緩和される。朝日はこの制度を利用し、容積率を従来の1000%から1600%に増やすよう申請し認められた。これによりテナント料は増収、さらに資産価値も大幅に上がったのである。