芸能

希望見いだせぬ関西放送文化 救いは勝谷誠彦氏のトーク番組

 テレビから安倍政権批判が消えたと言われるが、言論への圧力は、在阪放送局にも押し寄せていた。関西在住の作家で、放送界とも関わる戸田学氏が、在阪テレビ局の現状をレポートする。

 * * *
 昭和期の関西放送文化圏は、独自の文化で一種の独立国的要素がありました。開局当初は、それまで映画界や新聞社といった業種で働いていた人々がはせ参じていたためか、職人的な気質があって、「東京には負けるかい!」という気概があり、関西のタレント、文化人を使って、本音と面白さをうがった番組をローカルのみならず、全国にも発信していました。

 元来、関西の放送局は、制作費が少なく、アイデアで勝負するしかありません。ざっくばらんな関西では放送台本も実にアバウトで、タレント主導なところがあって、台本にも要点を記して、「~とあって、以下よろしく」的なものが多く、そのあたりも、東京の放送局に出演しているタレントからみれば、発言が自由に思えたのでしょう。

 それがいつの頃からか、例えば米国と日本国のような東京との主従関係となって、東京キー局の単なるローカル支局的な扱いになりました。局員も、急速にサラリーマン化し、役人的にまず責任を回避するようになりました。

 在阪テレビ局のA局には、少し前まで革新的な夕方の報道番組がありました。独自の取材で社会問題のタブーに斬り込み、テレビ報道としての使命を果たしていました。しかし、官僚的体質の親会社である新聞社から管理職が異動でやって来て、番組が潰されたと聞きました。

 親会社やスポンサーの影響を勘ぐりたくなる例は他にもあります。現在では冤罪事件である事が確定している小沢一郎氏の西松建設及び陸山会事件ですが、B局の元局アナ出身のキャスターは、当時いかに小沢氏が犯罪人であるかを煽りたてて、擁護すれば大声でその意見を制止していました。意図があるのでしょうかね。

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