上半身裸、黒スパッツ姿がトレードマーク。小さなボストンバックから登場し、“小指1本突き段ボール穴あけ”“扇風機舌止め”などユニークな芸を披露するお笑い芸人・エスパー伊東(54才)。大好評シリーズ企画「転機」の今回は、エスパー伊東にブレイクのきっかけと、体を張った芸での九死に一生エピソードを聞いた。
――デビューのきっかけを教えてください。
エスパー:子供の頃から、人を驚かせたり笑わせたりするのが好きだったんですけど、方向性が定まっていなくて。コンビニとか牛乳の配送の仕事とか、ずっとアルバイトをしていました。最終的に36才までアルバイトをして、トータル200種類ぐらいやりました。当時、不思議なもの全般を扱う「不思議サークル」という団体を主宰していて、気功を応用した超能力で、動物を眠らせたり動かしたりできたんですよ。それで27才くらいからテレビに出るようになったんです。
――だからエスパー伊東という芸名に?
エスパー:無断でつけられたんです。『テレビ夢列島91』(フジテレビ系)に出演して、番組を見ていたら、テロップに“エスパー伊東”と出ていて驚きました(笑い)でも、嬉しかったですよ。素人じゃなくなったという感じですね。“生卵のパックに卵を割らずに乗る”、“体に巻きつけた針金を気合で切る”などに挑戦したんですけど、全て失敗。でも失敗が面白がられるようになっていて、NG大賞にも繰り返し放送されたし、この辺りから「テレビ見たよ」と知らない人に声をかけられるようになりました。
――ところで衣装のスパッツ、江頭2:50さんと被っていませんか?
エスパー:初めは「マネすんな」と言われました。「俺のほうが早いんだから」って。江頭さんはラッシャー木村さんからもらったそうですけど、ぼくはラッシャー木村さんからもらったラッシャー板前さんからもらったんです(笑い)。江頭さんには納得してもらったんですけど、それからはライバルですね。
――江頭2:50さんと共演したことはありますか?
エスパー:『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)で対決しました。どちらが早く小さいバックに入れるかとか、ガットを抜いたラケットを早くくぐり抜けるとか。ぼくの得意技ばかりなんですけど、両方とも負けてしまって、悔しかったですね。
――『笑っていいとも!』にレギュラーで出ていたこともありますよね。