ライフ

ペットの「がん治療」は無法地帯? 愛犬家の有名医師が指摘

愛猫の「まる」と養老孟司氏

 現在、日本における15才以下の人口は約1600万人。一方、日本国内で飼育されている犬と猫は合わせて約2000万頭といわれている。少子高齢化が進んでいく日本では、いまや子供よりペットの方が多くなっているのだ。

 これだけペットが増えてくると、人間と同様に医療や介護の問題も浮上してくるわけだが、そこにヒントを与えてくれる本が出版された。愛猫家として知られる医学博士の養老孟司氏と、先駆的ながん治療の権威で、大の犬好きな医学博士・近藤誠氏が、ペットと人間の医療や介護について語り合った『ねこバカ いぬバカ」(小学館)という一冊だ。

 ものごころがついた時から猫を飼っていたという養老氏。現在はスコティッシュ・フォールドの「まる」(12才、オス)を飼っている。「しぐさを見てるだけで、働く気が失せるよね」(同書より、以下「」内同)と話す養老氏。とにかく癒しの対象で「うちに帰るとまず、まるの姿をさがしてしまう」というほど溺愛している。さらに養老氏は、

「猫が好きな人って、本当の自分を猫に託しているんじゃないかと思いますよ。本当は気ままに生きたいんだけど、浮世の義理があって、けっこう気を遣って辛抱していて。だから猫を好きにさせて、勝手に乗り移って、その時、自分も猫になってるんじゃないかな」

 と、息苦しい日常生活から逃げてしまいたいという願望を猫に投影しているのではないかと、愛猫家としての自分を分析している。

 近藤氏は結婚してから40年近く犬を飼っているとのことで、現在はボストン・テリアの「ボビー」(1才、オス)を飼っている。気ままな猫に対して、犬は思いきり飼い主に愛情を表現してくるペットだ。

「犬好きは単純な人が多いでしょうね。犬って自己アピールがすごくて、『エサくれ』『散歩に連れてけ』『なんかやってほしい』…常に『かまって、かまって』(笑)。しっぽもよく振ってくれて、わかりやすいから」(近藤氏)

 無邪気に感情を表現してくる犬を見て、自分が必要とされていると実感したいのが愛犬家なのかもしれない。

 高齢のペット愛好家にとって大きな問題となっているのが、“どちらが先に逝くか”ということだ。飼い主が先に亡くなって、ペットが残されることを懸念して、飼いたくても飼えない人も多いという。

「高齢者も飼いやすいシステムを作った方がいい。子犬から飼うから無理があるわけで、7才過ぎた成犬を飼うとか。保護センターにいる犬は、成犬の方が処分されやすいから、それを引き取るとか」(近藤氏)

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン