株主総会シーズンに合わせて企業の有価証券報告書が続々と提出され、経営トップの「年収」が明らかになっている。
経営者の高額報酬を批判する報道も見受けられるが、昨年、史上最高額となる14億円(2014年11月期)の報酬を受け取った自動車部品メーカー、ユーシン代表取締役会長兼社長の田邊耕二氏(81)は、こう語っている。
「役員報酬は、個人としてどれだけ会社に貢献したかで判断されるべき。社長ではなく常務が貢献したのなら、常務の報酬が一番高くていい」
田邊氏は、「早く後継者を決めたい」とも語る。
「トップの交代はなるべく早いほうがいいと思っています。僕自身の体調もあまりよくないのでね。ただ、血液検査やCT、MRIとかで検査しても原因がよくわからない。
つい先日、大学病院の先生に診てもらった時も、『僕の具合が悪いのは何の病気か?』とずいぶんしつこく聞いたんです。そうしたら最後に出てきた答えが『うつ病だ』と。うつ病でこんな風になるんかな、と不思議ですが(笑い)」
その上で、過去に後継者選びで苦い経験があったことを明かす。
「創業者である父が亡くなった後、僕が(1978年に)社長になるまでの間に3人の社長を迎えました。いずれも取引先の自動車メーカーなど、外部から呼んだ人たちです。
ところがその3人とも、金遣いが滅茶苦茶だったりロクなものじゃなかった(笑い)。サラリーマンとしてある程度出世しただけの人は経営者としてお話にならない。みんなすぐに辞めてもらいました」
そんな迷走を経て、田邊氏は44歳で社長に就任した。だからこそ、自身の後継者選びにも慎重を期しているという。