下駄をカラコロと鳴らしながら歩く浴衣の女性をみかけると、今日はどこで花火大会だろうと思い浮かべる季節になった。今年のイトーヨーカドーやイオンの浴衣CMをみると、女性だけでなく男性も登場している。そのことに不自然さを感じなくなったように、最近は男性の浴衣姿を見かける機会が増えている。浴衣男子は、いまや夏の風物詩となりつつあるようだ。
首都圏で「着物レンタル あき」を運営するベル・コーポレーション代表の鈴木健太郎さんも、浴衣男子が増えていると感じている。
「2~3年前からカップル利用を中心に男性の浴衣レンタルが増えています。法人のイベント利用も増加中です。花火大会や夏祭りなど、特別な日に浴衣を着ることそのものが楽しまれているようです。若い方だけでなく、幅広い年齢層でご利用が増えています。SNSなどネットで共有した写真などをきっかけに浴衣の利用に踏み切る方が多いようです。カップルでご利用の場合は、たいてい女性が男性のぶんも一緒に申し込まれていますね」
価格も手ごろで気軽に非日常を演出できる浴衣は、特別な日にぴったり。隅田川花火大会など人気イベントのときには、5月ごろから浴衣の予約をする人も。というのも、人気柄の浴衣は1~2か月前には予約でいっぱいになってしまうからだ。最近の傾向としてはブランドよりも柄で選ばれることが多く、男性用で定番の無地だけでなく龍など派手な柄にも人気が集まっている。