今春、警視庁による東京・歌舞伎町のぼったくりキャバクラの摘発が相次いだ。街は浄化されたという声も聞こえるが、本当に今は安全に飲めるのか。ボーナス支給直後の本誌記者が体当たり取材を敢行したところ、ぼったくり店は我々の想像を超える進化を遂げていた。
元々、手口はどの店もほぼ同じだった。客引きが「60分のセット料金が4000円ポッキリ」などと言葉巧みに客を誘うが、ホステスのドリンク代が1杯8000円、チャージが1人9万円などというセット料金以外の名目で料金を吊り上げる。
警察を呼んでも「民事不介入」といって取り合ってくれないため、店側の法外な請求がまかり通っていた。その手口の巧みさによって、最終的には「あまりに高い授業料」となってしまったのだった。
記者が入店したのは、「60分4000円」というお決まりのフレーズで誘う客引きに案内された雑居ビルの6階にある『G』という店。席に着くと、女性を品定めしたい衝動を抑えて以下の項目をチェックした。
・女性のドリンクの値段
1杯5000円以上ならセット料金に含まれるハウスボトルを飲んでもらう。
・テーブルチャージ
別途かかるなら店を出る。
・メニュー表
都が定めたぼったくり防止条例によれば、料金は客が見える場所に提示しなければならない。メニュー表の値段設定をくまなくチェックしたが、とくに不審な点はなかった。あとはホステスたちの「ドリンクおねだり」をどう拒むかだ。
記者の隣に座った24歳の女性に白ワインを飲みたいといわれたが断わり、ハウスボトルの焼酎を飲むよう促すと、明らかに怪訝そうな表情を見せた。
次に着いた女性にも同様に振る舞うと、「酔うとエッチしたくなる」「飲ませてくれたら、アフター(営業終了後に客と飲食などに付き合うこと)に行くよ」と男心をくすぐってきた。