今年の地震の発生頻度は異例だ。7月末時点で震度5以上が9回、そのうち震度5強以上は5回も起こっている。昨年1年間で5以上は計8回、震度5強以上は2回だから、いかに多いかわかるだろう。
そんな中、以前にも増して注目が高まっているのが「MEGA地震予測」だ。測量学の世界的権威として知られる東京大学名誉教授の村井俊治氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)による同予測は、従来の地震学とは全く異なるアプローチで、大きな成果を挙げてきた。同社の発行するメルマガの購読者数は6万人弱にまで膨れ上がった。
村井氏の「MEGA地震予測」の分析に用いているのは、日本全国の電子基準点のGPSデータ。主に1週間の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の3つに注目している。
村井氏が最新の電子基準点の動きから最も警戒を強めているのが、首都圏を含む「南関東」エリアで、2013年2月のメルマガ開始以来、初めて警戒レベルを最大に引き上げて話題となっている。
だが、警戒すべきは南関東エリアだけではない。全国には他にも警戒ゾーンが点在している。
◆北海道釧路・根室・十勝・浦河警戒ゾーン
この地域では、7月に入って5cm以上の「異常変動」が発生している。また、「水平方向の動き」では周辺の他地域と違う動きが確認できる。
「6月4日に震度5弱の釧路地方中南部地震が起きましたが、それでもエネルギーは放出されきっていないと考えられます。太平洋を隔てて対岸にあたる青森は、他の東北6県と違って北海道の動きと連動しています。そのため、青森県北部(下北半島)も要注意です」(村井氏。以下「」内同)
◆奥羽山脈警戒ゾーン
異常変動点が集中している地域だ。
「東日本大震災後、奥羽山脈を境に太平洋側が隆起している一方、日本海側は沈降が続いており、境目の奥羽山脈には大きなゆがみが溜まっていると考えられます。経験則として、太平洋側を震源とする地震であっても一番揺れる可能性が高いのは隆起・沈降の境目です」