国内

安倍談話 会見3時間前の「官邸vs宮内庁」緊迫攻防の真相

 8月14日に発表された安倍晋三首相の「戦後70年談話」をめぐって、官邸と宮内庁の間で知られざる神経戦が繰り広げられていた。

「首相談話の最終稿を早く見せていただきたい。それを読んだ上でなければ全国戦没者追悼式で陛下が述べられるおことばの原案がつくれない」

 宮内庁サイドから外務省ルートで内々に官邸にそんな催促があったのは終戦記念日の数日前、安倍首相が地元の山口に戻っていたときだったとされる。

 しかし、安倍談話の内容、とくに「痛切な反省」や「おわび」を盛り込むかどうかをめぐってはギリギリまで官邸内で議論が迷走し、厳重な箝口令が敷かれた。それは新聞・テレビの報道が錯綜したことからもわかる。

 安倍首相は8月7日に談話の「素案」を与党幹部に示したが、NHKが〈歴代内閣の立場継承を明記へ〉(7日)と報じたのに対し、日経(8日付)は〈70年談話「おわび」盛らず〉と打ち、朝日(9日付)や毎日(10日付)は首相が与党幹部に示した談話の素案には「おわび」の文言がなかったと報道。その後、一転、〈「侵略」明記へ 「おわび」表現検討〉(読売11日付)、〈「おわび」も言及へ〉(産経12日付)と変化していった。

「今回の文案の中身は厳重管理されており、原案の文面すら見ることはできなかった」(政治部記者)

 宮内庁サイドは首相談話に反省やおわびが盛り込まれるのか、それがどんな表現になるのか重大な関心を抱き、しびれを切らして催促したようなのだ。

「まだ最終稿はまとまっていない」

 官邸側がそう回答すると、宮内庁サイドからは「8月14日午後3時」という期限が伝えられたという。

関連記事

トピックス

松竹芸能からの退社を発表した濱口優(時事通信フォト)
よゐこ濱口優、松竹退社の裏にパワハラか「スタッフの前で罵倒」「不機嫌になって無視」などでマネジャーが次々交代 「結婚後により態度が悪くなった」の指摘も
女性セブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋消せる」「殺人 時効」田村瑠奈被告の父親のスマホから見つかった“生々しすぎるネット検索ワード”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
年末の夜に地元の藤沢で仲間と忘年会をしていた中居正広
渦中の中居正広が地元藤沢で仲間と忘年会「浴びるように飲んで悪酔いしていた」 活動再開は“絶望視”、強気な声明文は引退への“工作”か
女性セブン
序盤で3敗を喫した琴櫻(写真・時事通信フォト)
琴櫻の綱取りが絶望的ななか気を吐く“もうひとりの横綱の孫” 好角家・やくみつる氏は「父親譲りの突っ張りが出ると強い」「静かに見守りたい」と期待
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《無罪主張》田村瑠奈被告が求めた両親とのディスカッション…ノコギリ購入も「殺害計画は知らなかった」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)
【法政大学ハンマー殴打事件】「私の頭を2回ほど強めに叩いて降りていった」事件前日に容疑者がバスで見せていた“奇行”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《アフターピル服用後…お守り代わりにナイフが欲しい》田村瑠奈被告、「手帳にハートマーク」「SMプレイの自主練」で待ち望んでいた“事件当日”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
中居の“芸能界の父親代わり”とも言われる笑福亭鶴瓶
《笑福亭鶴瓶が語った中居正広の女性トラブル》「相談してくれたら…」直撃に口をつぐむほどの深刻さ『ザ!世界仰天ニュース』降板発表
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
「ゴムつけなかっただけで…」田村瑠奈被告が襲った被害男性の「最後の言葉」視界、自由を奪われて…【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン