「吉本ぶちゃいくランキング」で殿堂入りを果たしたお笑いコンビ・アジアンの隅田美保が、ブスいじりをされているせいで婚期を逃していると主張し、バラエティー番組から姿を消して5か月。女性にとって、自ら言う「ブス」と他人から言われる「ブス」は訳が違う。今の女性が“顔面偏差値”の低い、いわゆる「ブス」をどう捉えているのか。コラムニストの辛酸なめ子さんが語る。
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以前、美人の友人が「仕事を適当にやってるのに怒られないのが不思議」と言ったセリフが印象に残っています。それはあなたが美人だから…という言葉が出かかりました。彼女は外見の恩恵をそんなに意識していないようでしたが、美人はブスに比べて生涯所得が12%高い、というアメリカの大学の研究結果もあり、扱いの差は無視できません。
最近は、仕事で広告代理店や出版社などに行くと、若い社員のルックスの良さに驚きます。就職活動でも見た目が重視されているという世知辛い現実があるそうです。十人並みの容姿の私は、もし就活していたらどこの会社にも入れなかったと思います…。
ルックス格差を痛感したのは、高校時代です。小学校では見た目がかわいいというよりも、生命力あふれる活発な子が人望を集めていました。銀縁めがねで運動が全くできなかった私はヒエラルキー最下位だったのですが、見た目では露骨に差別されなかったです。
中学に入ると、女子校ということもあり、異性の目は気にしなくても良くなり、顔の良し悪しよりもおしゃれセンスや知力、運動神経などが重視されていました。しかしそんな平和な空気は、合コンなどで男子校と交流するようになって一変しました。
女子の間ではウケていたのに、合コンのカラオケで歌い踊っても男子の顔は能面のようにしらけ感が…しかも会計はなぜか女子が多めに取られる冷遇ぶり。あとあと考えてみると、女子側のルックスが相手の求める基準を満たしていなかったという結論になりました。
また、別のある合コンでは、女子の間では人気の子が、男子たちにはブスと思われていることが態度で伝わってきて、失礼だと義憤にかられ、女子全員、途中で勝手に帰ったこともありました。