芸能

西郷輝彦 『独眼竜政宗』共演の渡辺謙に「すげぇ奴出てきた」

 17歳で歌手としてデビューした西郷輝彦は、その後、舞台やテレビドラマで活躍し、俳優としてもその才能を見せつけた。そんな西郷が、大ヒットした大河ドラマ『独眼竜政宗』で演じたのが、渡辺謙演じる政宗を支える守役・片倉小十郎。それまで主役ばかり演じてきた西郷は、同作で何を学んだのか? 映画史・時代劇研究家の春日太一氏の週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 若くして奥州の覇者となった戦国大名・伊達政宗の生涯を渡辺謙が演じた1987年のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で、西郷輝彦は政宗に従い、支え続ける守役・片倉小十郎を演じた。

「あれは代役だったんです。でも、台本を読んで『これは面白い役だ』と思いました。ただ、最初は悩みましたね。これまで主役しかやってきませんでしたから、脇役はどうすればいいか分からなくて。『なんで、ここでアップが来ないんだ』と思うこともありました。

 勝(新太郎)さんが豊臣秀吉役で出ていたんですが、飲んだ時にそんなことを話したら勝さんにこう言われたんです。『アップなんていらねえんだよ。お前は一生懸命やってりゃいい。政宗が秀吉に無理難題を言われて困った時、視聴者は《小十郎は今どう思ってんだろう》と思う。そうなればお前の役は大成功だ』と。それで俄然やる気になりました。

 森繁久彌さんも同じことをおっしゃっていたんです。『舞台というのはテレビと違ってアップにできない。だから、お客さんは喋っている人しか見ない。その時、他の連中は死んでろ、動くな』と。動くと観客の目がそっちに行っちゃうんですよね。

 このドラマで謙ちゃんと芝居をして、『すげえ奴が出てきた。並の日本人のスケールじゃない』と思いました。それで、『これは、こっちは頭を使って芝居しなきゃダメだ』と。小十郎も何回かに一度、見せ場がありますから、そこは120%で行きました。そうすると、それまで抑えてきた分の効果が出てきますから」

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン