東京六大学野球のお荷物として語られることの多かった東大に異変が起きている。「野球エリート」ばかり集まる他の5大学に一歩も退かず、好勝負を連発しているのだ。東大野球部に何が起きているのか。
惨敗に次ぐ惨敗で黒星を積み上げていた頃がウソのようだ。今年5月に連敗記録を94で止めて以来、東大は神宮球場を沸かせ続けている。
9月19日に行なわれた対法大1回戦は5-2で勝利。東大は2点を追う3回に3点を奪って逆転、4回には先発した宮台康平(2年)が2死二、三塁から自らタイムリーを放って突き放し、宮台、柴田叡宙(2年)の継投で5回以降を1安打に抑えて快勝した。
「翌20日は連勝を目指したのですが、4点を取りながら逆転負けを喫し、決勝の3回戦では10-1で大敗。13年ぶりとなる勝ち点獲得は惜しくも逃しました。しかし、東大は着実に力をつけてきていると見られています」(スポーツ紙アマチュア担当記者)
東大といえば「万年最下位」のイメージが強い。1925(大正14)年の六大学リーグ創設以来のメンバーながら、優勝回数は未だゼロ。最下位を抜け出したのは1997年秋が最後で、現在は36シーズン連続最下位のワースト記録を更新中だ。
そこから這い上がろうとしているいまの東大を支えているのは、東京六大学秋季リーグの投手部門で防御率トップ(0.86。10月22日現在)に立つ宮台と、3年生の右のエース・山本俊の両輪だ。