中国は今年すでに6回の利下げをし、8月には通貨(元)切り下げも行なった。刺激策を連発しなければ景気を維持できない現状に、「中国経済の崩壊」を危惧する市場関係者は少なくない。
だが、株式投資で億単位の資産を築き上げた“億り人”と呼ばれる投資のプロたちの中には、「今こそ中国関連株が狙い目」と考える人が少なくない。
サラリーマンでありながら、割安株への中長期投資で資産1億5000万円を築いたさとりん氏は、「銘柄さえ選べば中国関連株は買い。インバウンド関連はまだ強い」と語る。インバウンドとは外国人旅行者を自国へ誘致することで、「訪日観光客」を指す。近年、中国から日本への観光客が激増し、日本製の高級家電や化粧品などが飛ぶように売れている。いわゆる“爆買い”だ。
この恩恵を最も受けたのが、訪日観光客狙いで家電量販店から免税店にシフトしたラオックス(8202)だ。昨年8月、40円台だったラオックスの株価は瞬く間に急騰し、今年7月には11倍超の564円をつけた。この急騰劇をきっかけに「インバウンド関連銘柄」が株式市場を席巻するようになった。さとりん氏がいう。
「エイチ・アイ・エス(9603)のような旅行代理店はもちろんですが、やはりドラッグストア関連は欠かせません。中国人が化粧品や日用品を爆買いするため、必ず立ち寄るホットスポットですから。化粧品でいえば、中国でも有名な化粧水を販売するコーセー(4922)も注目です」
中国人観光客は、“爆買いリスト”をインターネットを駆使して作っている。中国の大手ポータルサイト「捜狐(SOHU)」には、「日本に行ったら買わねばならないもの」として、「神薬12」という12個の医薬品が紹介されているという。