人が人を評価するのは難しい。「人事評価は永遠の課題」というのが人事関係者の常識となっている。にもかかわらず評価は常に人生につきまとう。小学校のお受験に始まり、高校や大学のAO入試でも内申書が重視される。
だが、会社に入る段階の評価では大学の成績はほとんど評価の対象にならず、「大学の偏差値」と「人柄」が評価の基準になる。偏差値の高い大学出身者は地頭力があり、学習能力が高いと見なすのである。もう一つの人柄は極めて曖昧だ。面接では様々な質問を繰り返しながら「うちの会社に合う人か、一緒に仕事をしたいと思うか」で判断される。
じつはこの人柄評価はその後の会社人生にもつきまとう。人事評価は業績と行動の2つの評価基準で行われるが、一見、人柄とは無縁な客観的かつ精緻な評価のように思われる。だが、これは“表の評価”であって、上司や周囲から人柄を基準にした“裏の評価”が表の評価に大きな影響を与えている。
この裏の評価が最も発揮されやすいのがリストラの場面だ。筆者はこのほど『人事評価の裏ルール』(プレジデント社)という本を出した。ここでは誰をリストラするかについては表の人事評価よりも裏ルールの基準によって決まることを人事部の証言によって明らかにしている。
その一つが性格(表れる行動)でリストラされる人の基準だ。20代から50代の人事担当者100人に聞いた性格面でクビになりやすい人に共通する特徴は以下の6つだった。
・根暗な人
・ひとりよがりな人
・ズボラな人、ルーズな人
・やさしくていい人、真面目な人
・空気が読めない人
・会話ができない人、表現下手な人