アリとキリギリスのたとえでいえば、アリのキリギリス…。夫と2人、決して遊んでいたわけじゃなく、さして浪費してきたつもりもないのに貯金はゼロ。女性セブンの申年(さるどし)記者・サル美(47才)は気づきました。明日は暗い──と。難しいことはわからない、ややこしいことはしたくない私でもできること、ありますよね、先生?
ということで、近著に『銀行員だけが知っているお金を増やすしくみ』(集英社)があるアセットライフマネジメント代表取締役の長岐隆弘さんと、『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)などの著書がある消費経済ジャーナリスト・松崎のり子さんに、“サルでもお金が貯まる方法”を教えてもらいました。
まず訪れたのは、元銀行員でマネー戦略プロデューサーの長岐さんのもと。
──先生、老後が心配になったんですが、お金ってどう貯めるのがいいですかね?
長岐:質問返しで恐縮ですが、今、お財布の中にいくら入っていますか?
──エッ!? お貸しできるほど入ってなくて、たぶん1万円くらいしか…。
長岐:そうじゃなくて! 銀行員をはじめ、お金が貯められる意識が高い人には、財布の中身を1円単位で答えられる人が多いんです。
──エーッ!! 1円単位でわかるんですか!?
長岐:はい。そればかりか、銀行の残高も1円単位で言えますし、貯蓄はどうか、使えるお金はいくらなのかなど、常に詳細に把握しています。
──ウソ、ですよね?
長岐:ホントです。具体的に貯めるにも、自分が毎月いくらなら貯められるのか把握しないといけません。貯金って、ダイエットと同じなんですよ。自分が何kgなのかわからないと、どのくらいやせたらいいのかわからないでしょ。お金もいくらあるのかわからないと、具体的に貯める気にはならない。
──貯めるにも王道なしですね、とほほ…。
長岐:サル美さんは、銀行口座はいくつ持ってますか?
──独身時代から使っている口座が3つと、主人の口座、それからネットバンクが1つ…。すみません、覚えていません!!(汗)
長岐:謝らなくていいんです。私がそういうかたにまず伝えるのが、銀行は3つにしぼった方がいいということ。多くの銀行員は、給料の振込口座と支払口座、それとは別に貯蓄の口座を設けています。逆に1つだと、急な出費などで、せっかく貯蓄したお金を使ってしまいます。それに、使えるお金を明確に把握するためにも口座は分けたほうがいいのです。
ところで、サル美さんは貯金をして、何をしたいんですか?」
──エッ? 下流老人になりたくないだけなんです…。