昨年末、夫・船越英一郎(55才)から離婚を突きつけられたと報じられた松居一代(58才)。船越はひとりハワイへ旅立ち、松居は長野県のある宿泊施設で「内観法」と呼ばれる心理療法を受けていた。心理療法のひとつである内観法は、少年院や刑務所でも採用され、朝日新聞の天声人語や『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)でとりあげられたことで、企業の社員研修などでも積極的に採用されるようになった。
また、プロのスポーツ選手が自主的に参加した事例もある。野球日本代表・侍ジャパン監督の小久保裕紀(44才)は、著書の中で、選手時代に体験した内観法が自分の人生に大きな影響を与え、すでに3回の内観を体験済みだと明かしている。その内観法、実際にはどんなことをするのだろうか。
内観法について書かれた『お母さんにしてもらったことは何ですか?』(サンマーク出版刊)の著者で、実際に指導も行う蓮華院誕生寺(熊本県)の内観研修所長、大山真弘さんが教えてくれた。
「職場の人間関係、夫婦、親子関係の悩みをどう解決したらいいのか明確な答えが見つからず、人は一体何のために生きているのか、自分の生き方は果たしてこれでよかったのか、大きな壁にぶつかったことはないでしょうか? そんな人生に迷える時、心を整理してくれるのが、内観という自己観察です」(大山さん)
昨年末、夫・船越から離婚を突きつけられた松居。悩んだあげく彼女が駆け込んだのが、内観法を受けられるある宿泊施設だった。
通常、内観は「集中内観」と呼ばれる、1週間、施設に泊まり込んでのスタイルで行われる。ここですることは、とてもシンプル。母、父、子供、配偶者、きょうだい、職場の人、隣近所の人など、周りにいる人一人ひとりについて「してもらったこと」「してあげたこと」「迷惑かけたこと」の3つを、昔のことから、現在まで(亡くなっている場合はその時まで)をたどって思い出していく。
「人間は過去を自分の都合のいいように変形して記憶することがあるので、繰り返し繰り返し、思い出してみることで、真実を見出すことができます」(大山さん)
このとき大事になるのは、自分の視点ではなく、相手の視点で過去を振り返ること。相手の気持ちになりきって、そのときの自分についてどう思っていたか、どんな言い分や理屈があるのか、感情を推察し、気づくことが、何より重要なのだという。
かかる費用は、食事等全部込みで、1週間5万~8万円程度。ただし施設によってはそれ以上かかるところもあるという。
その施設で、参加者は屏風に囲まれた半畳ほどの個室で内観していく。トイレに行ったりお茶を飲んだりは自由。1~2時間に1度、養成訓練を受けた各施設の面接者が面談をする。