年明けからベッキーの不倫騒動には驚かされた。芸能人スキャンダルはネットでも大人気。果たしていちばん「ゲス」なのは誰か、大人力コラムニストの石原壮一郎氏が考える。
* * *
今年は年明けから大きな騒動が次々と起きています。皮切りとなったのが、タレントのベッキーと「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(えのん)の不倫疑惑騒動。「卒論」や「センテンススプリング」などキャッチーな言葉もいろいろ飛び出して、世の中を盛り上げてくれました。
疑惑の発覚後も気丈に仕事を続けていたベッキーですが、とうとう先日、しばらく休業することを決めたようです。世間の関心は移ろいやすいので、たぶんすぐに「どうでもいい話」になっていくでしょう。
余計なお世話ではありますが、騒動に区切りをつける意味を込めて、この不倫疑惑騒動で「いちばんゲスだったのは誰だったのかダービー」を勝手に開催してみようと思います。さてさて、勝利を収めるのは誰か!?
1枠は、バンド名に「ゲス」を背負っている川谷絵音。妻がいるのを内緒にしたまま先輩芸能人を口説き、実家にまで連れて行くあたり、貫録の本命です。2枠は、途中からは既婚者だと知っていたのに大いに盛り上がっていたベッキー。対抗の資格十分です。
3枠は、人の恋路を暴き立てて商売に結び付けたセンテンス……じゃなくて「週刊文春」。それが仕事とはいえ、穴をつけてもいい実力の持ち主です。4枠は、ふたりのLINEのやり取りを流出させた誰か。どんな方法で入手してどういう動機で流出されたのかはまだわかっていませんが、けっしてホメられた行為ではありません。これも穴ってことで。
さらに5枠は、空気を読みながらベッキーを擁護したり批判したりコロコロスタンスを変えたタレント仲間たち。6枠は、目にもとまらぬ早業でベッキーが出ているCMを打ち切ったスポンサー。7枠は、きっと心の中でガッツポーズしながら、「ゲスの極み乙女。」のニューアルバム『両成敗』を全力で売っているレコード会社。8枠は、その他もろもろの人たち。いまひとつ決め手に欠けるこのあたりは、まあ無印でしょうか。
さあ、いずれ劣らぬゲスたちがゲートに並んだ。各ゲスいっせいにスタート! それまでの好感度路線とのギャップで、ベッキーがいきなり飛び出した。ゲスという点では自力に勝る川谷絵音も、しっかり後ろについている。いちばんのゲスを決めるレースは、このままふたりの争いになるのか。