本誌とカクワーズ調査で実施した12才以下の子を持つ母親200人に行ったアンケートによると、約45%が週1回以上祖父母に孫の育児”孫育て”をお願いしていることがわかった。一方で、祖父母に対して「迷惑に感じたことがある」と答えた子育て世代は75%にも及んだ。
孫育てを任されたものの、叱ってはダメ、甘やかしてもダメ。一体どこまで面倒を見たらいいのか。3つのポイントを子育て・孫育ての専門家に聞いた。
「子育てはあくまで親がするもの。祖父母はサポートに徹すれば充分なのです。親世代が地球なら、祖父母はその周りで、つかず離れず見守る“衛星”と考えて」と教育・育児学の専門家で白梅学園大学・短期大学学長の汐見稔幸さんは言う。
欲しがるものをどの程度与え、ぐずったらどう注意すべきか、その基本的な線引きは、親世代と話し合うことが大切。
「機嫌をとろうとおもちゃや菓子で釣るより、ママと仲よくしている姿を見せた方が孫は祖父母を好きになり、言うことに耳を傾けるようになります」(汐見さん)
そこで、実母や義母など、関係別の対処法も聞いた。実の母娘の場合、言いたいことを気兼ねなく言いやすく、それが逆に溝を深める原因にも。子育てアドバイザーの高祖常子さんはこう警告する。
「基本は見守ること。“あなたもこうやって育てたのよ”という自分の子育て論を押しつけないで。娘は母親の育て方に内心反発し、自分の子にはそうしないよう“反面教師”にしていることも少なくありません」
娘はもう“子供”ではなく、一人前の“親”であると、意識することが大切。
「“あなたを心配しているよ”“いつでも助けるからね”と、常にサポート態勢にあることを伝えつつ、尊重すること。母娘ではなく、“母親”の先輩後輩という関係を作っていくといいでしょう」(高祖さん)
一方で、義母が育児に口を挟むと、ちょっとしたことでも嫁は深刻に捉えてしまう傾向が。