コンビニ業界3位の「ファミリーマート(以下、ファミマ)」が、大型GMS(総合スーパー)のユニーグループ・ホールディングスと経営統合することに伴い、ユニー傘下の「サークルKサンクス(コンビニ4位)」が消滅することになった。今年12月から2019年2月までの間に、「サークルK」「サンクス」の店舗が次々とファミマの看板に統一される。
ファミマ+サークルKサンクスの店舗数は約1万8000店。2位のローソンを逆転し、首位のセブン-イレブンに匹敵する規模になることから、コンビニ業界の生き残りをかけた“仁義なきシェア争い”は一層激しさを増すものと見られている。
仁義なき戦いという点では、もうひとつ注目すべきトピックがある。
新生ファミマを運営する事業会社社長に澤田貴司氏(58)が招聘されたからだ。澤田氏といえば小売業界では知る人ぞ知る有名人。ライバルのローソンで指揮を執る玉塚元一氏(53)とは20年以上にわたる“盟友”でもある。2人の仕事人生を結びつけたのは、あのユニクロだった。
「澤田氏は伊藤忠商事時代の1990年代、米国セブン-イレブンの再建に携わった経験から商社内で小売業への本格進出を提案しましたが、上層部の反発に遭い退社。そんな彼に興味を持ってヘッドハンティングしたのが、ユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井正氏です。
当時のユニクロはまだ無名に近い衣料チェーンで、澤田氏もユニクロ入りを躊躇したといいますが、柳井氏の強烈なリーダーシップに惹かれたことや、商社時代の待遇を約束してもらったことなどが決め手となったようです」(経済誌記者)
1997年にファストリに入社した澤田氏は、柳井氏の期待通りすぐに頭角を現し、翌年には副社長にまで昇進。そこで呼び寄せたのが、当時、日本IBMに勤務していた玉塚氏だった。
「もともと澤田氏と玉塚氏は飲み仲間で、仕事の相談もし合う関係だった。澤田氏は、旭硝子からIBMの営業に転職したばかりの玉塚氏を気遣い、柳井氏の前でIBMの製品プレゼンをセッティングさせたが、その出来が散々だったといいます。
その場で、澤田氏と同様、柳井氏の強烈な個性に刺激を受けた玉塚氏は、IBMをわずか半年で辞めてユニクロ入社を決意。晴れてタッグを組むことになった澤田・玉塚コンビは、後に爆発的なヒット商品となるフリースブームを作り出したのです」(全国紙記者)