東京ガスの社長で東大名誉教授だった高松豊吉を曽祖父に持つ芸人・たかまつなな(22才)。中学高校は名門・フェリス女学院で、現在慶応義塾大学総合政策学部で在籍しながら、東京大学大学院情報学環教育部でも学んでいるという彼女は、お嬢様芸人、そしてインテリ芸人としてテレビなどでも活躍中だ。そんなたかまつは、一体どんな芸人を目指しているのだろうか、話を聞いた。
──現在は“お嬢様ネタ”をすることが多いですが、最初からその方向性だったんですか?
たかまつ:いえ、最初はそういうわけでもなかったんです。中3から大学2年までの間は、アマチュアの芸人として活動していたんですが、高校生のときに「ハイスクールマンザイ」という大会に出場したんですよ。この大会は何回応募してもよかったので、私は18回受けたんですけど、もう毎回出場するたびにMCの芸人さんなんかに「フェリス?」ってイジられるんです。とにかくそこをイジられるので、「何かあるな」って気づき始めて、これはもうネタにしたほうがいいのかなって。それでお嬢様ネタを取り入れるようになっていきました。
──将来的にはどのような芸人さんになりたいと思っていますか?
たかまつ:芸人さんではないんですが、池上彰さんを目指しています。なので、新宿のネイキッドロフトとか下北沢のライブハウスとかで、日本の安全保障についてのライブを行っているんです。ジャーナリストの下村健一さんと一緒に2015年を振り返ったりとか、そういう内容のライブですね。たとえば、イスラム国をサザエさんにたとえたり、安保問題をドラえもんにたとえたり、基地問題を学校に置き換えてみたりといった感じで。ゲストにギャルを招いて、ギャルでも理解できるように社会問題を解説してみたりといった感じです。
──どうして芸人ではない池上彰さんが目標なのですか?
たかまつ:芸人の活動をするなかで私なりに葛藤もあって、やめてしまおうかと思うこともあったんですが、そんな中で「みんなと同じお笑いをしていたからダメだったんだ。自分しかできないことをすべきだ」っていう思いに至ったんです。それなら、お嬢様がニュースを伝えるネタだったり、歴史のネタだったりが、自分にしかできないことなのかな、と。
ただ、私がやりたいネタも需要があってこそなんですよね。以前「お嬢様ネタで」ってゴールデンのテレビ番組で出演を依頼されて、桃太郎を今の法律に当てはめて考えるっていうネタを提案したんですよ。そしたら「視聴者はついてこないよ」ってダメ出しされて急遽違うネタを出したんです。結局、需要がないってことだったんだと思うんですけど、それがすごくひっかかっていて。「ライブではすごくウケるのに…」とか、「自分はこれがやりたいし、自信もあるのに…」って。
でも、最近になってあの桃太郎のネタやってくださいと言われるようになってきたんですよ。だから、ライブで自分がやりたいことをやって、お笑いの筋肉をつけておけばいいんだなって思っています。
──ちなみに、恋愛のほうはいかがですか?