全国にラーメンブームを巻き起こし、日本のラーメンを豚骨に染めた伝説の店が「なんでんかんでん」だ。わずか13坪のお店は連日、環七に車を止めて訪れる客でにぎわった。その社長を務めるのが川原浩史氏(51才)である。2012年、環七本店は26年の幕を閉じ、残りの店も昨年ですべて閉じたと話す。川原氏が抱えた借金は最高時5億円とも報じられた。川原氏の今、そして当時のブームについて本人に直撃した。
――本店を閉めてから3年間、「なんでんかんでん」はどうなったのでしょうか?
川原:元々、私がやっていたのは本店の一軒だけでした。金沢の店は15年前から義兄がやっていました。本店閉店のニュースで見て、「なんでんかんでん」のラーメンをやりたいという人から、50件以上も問い合わせがあったんです。それで、福岡、山口、岡山、新潟、三重、群馬など、2年間で一気に支店やコラボ店が8店舗まで増えました。
――閉店前より店舗が増えてる!! 実は順調にラーメン経営をしていたということ?
川原:中には、そこそこの店もあったのですが、昨年、全て閉店したんです。
――なぜ?
川原:各店でスープを作っていたり、一部「なんでんかんでん」のレシピを元に工場にスープを作らせたたりと新しい挑戦を試みたのですが、他店舗展開を一気に出し急いだせいか、店舗ごとに味が違ったり、加盟者との意思の疎通がうまくいかずでした。その後も試行錯誤の結果、昨年おいしいスープができたんですよ。あと少し改良の余地がありますが…仕切り直すことにしたんです。
――「なんでんかんでん」の再スタートはいつ?
川原:今年の夏ごろを目途に復活を考えています。都内で場所を探していますよ。今度はね、豚骨ラーメン店だけでなく、ラーメン居酒屋、そして博多ちゃんぽんを展開していこうと思っています。
――ちゃんぽんにも進出するんですね。
川原:今度はちゃんぽんブームを起こしたいんです。長崎ちゃんぽんが一番有名だけど、ちゃんぽんは博多でも日常的な一般食なんです。関東には、あまりおいしいちゃんぽんがないなって、常々思っていて…。
ちゃんぽんは大きくわけると2つあって、鶏ガラ系と豚骨系があるんです。長崎ちゃんぽんは鶏がらで出汁をとることが多くて、あっさりとしてるんです。博多ちゃんぽんは豚骨だから濃厚なんですよ。博多出身のぼくの中では、長崎より博多のちゃんぽんの方がおいしいんです。
――一時期、借金5億円以上と報じられたこともありますが、新しい商売をするという事は、借金は全て返済済み?