ブログサービス「note」に投稿された「おばさんたちはInstagramに来ないでほしい」という記事が2月初旬に話題を集め、様々な議論が交わされた。誰でもどこでもつながれるSNSだが、その利用をめぐる世代間の争いが生じていることが浮き彫りになった事例だといえる。スマホの普及がすすんでからは、「似たような事例はいろいろな場所で起きている」とITジャーナリストの高橋暁子さんは言う。
「もともと若者は同世代とだけ、狭い範囲でつながる傾向があります。SNSでは同世代との気持ちよい空間をつくっているので、そこに幅広い世代の人が加わると雰囲気を壊されたと感じてしまう。
特にInstagramはオシャレで可愛い空間を楽しみ、自分もそう思われたいと利用しているSNSなので、雰囲気を壊すような写真を投稿やコメントが増えると嫌だなという気持ちになるのでしょう」
SNSの年代別利用率をみると、LINEは20代以下が62.8%、30代が47.0% 、40代で41.8%。Facebookが20代以下で49.3%、30代が38.3% 、40代で36.8%。Instagramをみると20代以下が16.0%、30代は7.8%、40代で3.5%と世代間の格差が最も大きい(平成27年版「情報通信白書」調べ)。この利用率のギャップをみると、同世代が集うInstagramの雰囲気を壊さないでほしいという願いが生じるのも無理はない。
しかし特定の世代しか利用できないSNSというのは事実上、存在しない。そのため願わぬ相手からフォローされたりメッセージを送られるのは珍しくない。不本意なSNS利用を強いられたとき、若い世代はどう振る舞っているのか。
「たとえば、Facebookは大人の利用が増えたことで若い世代があまり利用しなくなりました。若者のFacebook離れが進んでいたアメリカでは、代わりにInstagramやSnapchatへ移っていました。同じような現象が日本でも起きていて20代以下の女性はInstagramへ、MixChannelは中高女子の天国です。
でも、SNSというものの性質上、思いも寄らない人と勝手につながりを作り出されることは避けられません。限られた範囲でのコミュニティを作る機能があるSNSを利用するなど、上手に使い分けできている人もいるので、つまずきながら利用法を学習していくしかないですね」(前出・高橋さん)