誰でも知っている人物だが、「実は本名が違う」という人物は少なくない。知っているつもりで実は知らない「あの人の本名」をチェックしよう。
【西郷隆盛→西郷隆永】
明治になり西郷の名前が新政府に登録されるとき、本人が不在だったため、同志の吉井友実が届け出た。しかし、彼の幼名である「吉之助」しか思い出せなかった。やっと思い出して届け出た名前が「隆盛」だったが、それは西郷の父親の名前。本名は「隆永」だったが、本人も訂正することなく「隆盛でよか」と通したという。
【ランディ・バース→ランディ・バス】
英語表記は「BASS」で「バス」が正式な発音。だが、阪神の親会社がバスも運行していることから、好調時に「阪神バス大爆発」などとスポーツ紙に書かれると誤解を招くと懸念して登録名を「バース」とした。
【ジーコ→アルトゥール・ アントゥネス・コインブラ】
「ジーコ」は少年時代の愛称で、ポルトガル語で「小さな少年」「やせっぽち」を意味する。ブラジルでは名前が長かったり同じ名前の人が多かったりするため、短縮したり、出身地や身体の特徴などの愛称で呼ぶことが多い。
【紫式部→藤原香子(という説がある)】
平安期ごろの女性は本名を軽々しく他人に明かすものではないとされていたが、藤原行成や藤原道長の日記には「香子」の名前があり、これを紫式部だとする説がある。ちなみに、「紫式部」という名は「源氏物語」に登場する才色兼備の女性「紫の上」に由来するという説が有力だ(式部は父親の役職名)。
【カーネル・サンダース→ハーランド・デーヴィッド・サンダース】
サンダースは40歳のとき、ケンタッキー州のガソリンスタンドのそばに小さな「サンダースカフェ」を開いた。そこで出したフライドチキンが大当たり。45歳のときに州への貢献が認められて州知事から「カーネル」という名誉称号が与えられた。
※週刊ポスト2016年3月18日号