国内

足立区の団地に派手な血痕 暴力団排除の実態には盲点あり

 山口組分裂から約半年、六代目山口組と神戸山口組の衝突が急速に激化するなか、ついに警察は殺し合いを待たずに「抗争」と認定した。かつて抗争に乗じて「頂上作戦」と呼ばれる暴力団壊滅作戦を指揮してきた警察は、いま新たな勝負に打って出た。フリーライター・鈴木智彦氏がリポートする。

 * * *
 2つの山口組が爆(は)ぜた。新宿・歌舞伎町のど真ん中で乱闘騒ぎが起き、神戸山口組の中核団体である福井県の正木組本部に銃弾が撃ち込まれて以降、全国の火薬庫に誘爆したかのごとく暴力事件が頻発したのだ。

 2月25日は長野県松本市で神戸山口組系組員に対する集団暴行事件が起き、翌26日には静岡県三島市で山健組(神戸山口組・井上邦雄組長の出身母体)幹部の車両が破壊された。続く27日には神奈川県厚木市の弘道会(六代目山口組・司忍組長の出身母体)系事務所にトラックが突っ込んだ。

 同日の午後9時頃には埼玉県八潮市市役所から1.5キロの住宅街にある山健組幹部宅の壁や屋根に数発の銃弾が撃ち込まれた。拳銃を使った事件は、暴力団にとって特別の意味を持つ。捕まれば銃刀法はもちろん発射罪や器物損壊が加算される重罪だが、誰でも入手できる日用品を使わず、あえて拳銃を使用したほうが、暴力のプロとして玄人受けし、実行犯の虚栄心も満たされるのだ。車両を使った器物損壊とは覚悟が違う。

 実話誌は車を使った器物損壊事件を「車両特攻」と劇画チックに煽り立てるが、悪ふざけが過ぎると言うほかない。逃走を考え、バックギアで突っ込む事件のどこが特攻だというのか。

関連記事

トピックス

佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト